偉大な企業に変えるリーダーシップ、 「第五水準」
派手なリーダーが強烈な個性をもち、マスコミで大きく取り上げられて有名人になっているのと比較し、良い企業を偉大な企業に変えるためのリーダーシップ「第五水準」の特徴は、万事に控えめで、物静かで、内気で、恥ずかしがり屋ですらある。個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さという一見矛盾した組み合わせを有している。
第五水準の定義
・個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる。
・第五水準の指導者は、熱狂的といえるほど意欲が強く、すぐれた成果を生み出さなければ決して満足しない。
・飛躍を達成した企業はすべて、第五水準の指導者に率いられていた。
第五水準のリーダーシップの二面性
【職業人としての意思の強さ】
・素晴らしい実績を生み出し、偉大な企業への飛躍をもたらす。
・どれほど困難であっても、長期にわたって最高の実績を生み出すために必要なことはすべて行なう固い意志を示す。
・偉大さが永続する企業を築くために基準を設定し、基準を満たせなければ決して満足しない。
・結果が悪かったとき、窓の外ではなく鏡をみて、責任は自分にあると考える。他人や外部要因や運の悪さのためだとは考えない。
【個人としての謙虚さ】
・おどろくほど謙虚で、世間の追従を避けようとし、決して自慢しない。
・野心は自分個人にではなく、企業に向ける。次の世代に一層の成功を収められるように後継者を選ぶ。
・鏡ではなく窓をみて、他の人たち、外部要因、幸運が会社の成功をもたらした要因だと考える。
・静かな決意を秘めて行動する。魅力的なカリスマ性によってではなく、主に高い基準によって組織を活気づかせる。
偉大な企業への飛躍を指導したリーダーは、まずはじめに新しいビジョンと戦略を設定しない
最初に適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、適切な人がそれぞれにふさわしい席に坐ってから、どこに向かうべきかを決めている。
「人材こそがもっとも重要な資産だ」という格言は間違っていた。人材が最重要の資産なのではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。
ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」より