プライマリ・ナーシングは、一人の患者さんを一人のナースが一貫して受け持ち、責任をもって看護過程を展開します。一人のナースが責任をもつことで、個々の患者さんのニーズに焦点を合わせた、より良い看護を提供することを期待したシステム。
いい事だらけのような気がしますよね?
人によるんです。
相性もあるかも知れないけど、母のプライマリーは、さらっとした人柄で、手抜きの無いテキパキな仕事ぶりを見てると安心できた。
母はそんな彼女を信頼し、というか主治医でもプライマリーでも自分のためにしてくれていると思えば自分の考えはしまいこんで相手の望む態度を示すのが母なので、プライマリーとはある程度の関係性は保たれていたはず。
母がプライマリーの期待に応えようとする人柄を逆手にとってNOと言えないような問いかけをしてくるとは驚いた。
寛解状態にあったけど、体力がなくてほぼ寝たきりに近かった時、母はいつも退院しろと言われるのではないかと怯えていた。
家には96歳のばっちゃがいて、その世話をしていたのが母。自分のことも満足に出来ないのに退院しろと言われるとどうすればいいのかといつもいつも心配していたので、私の家で元気になるまでいればいいと言っていたのだが、私の夫に迷惑だ、とまた自分で我慢しようとして、解決策を見出せず徐々に落ち込んで鬱状態になっていった。
なんで言われてもない退院でこんなに悩まなくちゃいけないんだろう、私の家が嫌なら私が実家に泊まり込んでも今のADLで受け入れると言っても母の不安は拭い去れなくて、困ってプライマリーに相談したら、
なんと
プライマリーが、これからどうするつもりなのかと母に考えろと言っていたことがわかった。
ま、それがプライマリーの仕事だろう。
先を予測して計画するのも大事なことだ。
だけど、母のいちばんの心配は、治療を投げ出されることと、自分で自分の事ができないこと、人から世話されて生きていく事を心配していた。
プライマリーも知っていて対応してくれてたはずだけど、方向性が、母のためを一番ではなくて、慢性期は大学病院に居られないと言うことなのだ。
なぜなら
大学病院でなくてもよくなってきているから退院できないなら他の病院に転院とか考えないとね
と言ったから。
大学病院とは患者の相談に乗るよりもルールを押し付ける
あなたは大学病院でなくてもいいよと、直接的に。
確かにそうだとおもうし、それが大学の役割だからわかるけど、そこに患者の個別性とか、事情とか入れてくれないの?
それをわかって、調整してくれるのがプライマリーだと思ってた…
そして間も無く再発した。