日比FTA交渉に見る日本の強気外交
11月19日、日本とフィリピンとの間でFTA(Free Trade Agreement)の交渉が決着したと報じられました。
今回はその合意の内容について考えてみたいと思います。
まず、合意内容を簡単に列挙してみます。(括弧内は筆者注)
1.農業分野(フィリピンが要求)
バナナ、パイナップル、鶏肉は低関税枠を設定(実質上の数量制限)
キハダマグロ、カツオは五年以内に関税撤廃(輸入量少ない)
砂糖は四年後に再協議(実質上の白紙回答)
2.鉱工業品分野(日本が要求)
一部産品を例外にして、即時または段階的に関税を撤廃(実質上日本の要求通り)
自動車は即時または段階的に関税を撤廃(日本の要求通り)
3.労働者の移動(フィリピンが要求)
フィリピンの看護師、介護士に特例ビザ発給(日本は100人程度に抑える予定)
滞在期間中に日本の国家資格に合格すれば在留期間の更新可能(滞在に更なる条件付け)
4.その他
サービス、投資、政府調達(筆者資料不足のため正確には不明、現状維持か?)
さてだいたいこんな形にまとまったのですが、これを見てまず思ったことは「日本は相変わらず、途上国に対しては強気外交である」ということです。
昔から日本はその経済力や資金援助を背景として東南アジアを中心とする途上国に対して強気な外交を展開してきました。
今回もその例に漏れず、日本の主張は相当数受け入れられているのに対し、フィリピンの主張はそのほとんどが退けられ、日本に相当に有利な協定になっています。
前にも書きましたが日本は途上国との共通利益を追求するというよりも、自国だけの利益をひたすら追求する道を選んだというところでしょうか。
しかしWTO協定ではFTAを締結する際、実質上すべての貿易に対して自由化することが義務付けられている(WTO協定24条)にもかかわらず、農業をほぼ棚上げしたままのFTA合意には釈然としないものがあります。
この実質上すべての貿易という語句に関しては明確な解釈がなく、それがFTA締結の際の制限を和らげる結果となっています。
FTAとはそもそもたとえ二国間であっても無関税で貿易制限措置のない地域を増やしていけば、多角的な交渉において関税引き下げにプラスになるという理念に基づいて考え出された制度です。
今回のような農産品等の一部産品を例外扱いするようなFTAが世界的な自由貿易の促進に役立つのかどうかもう一度考え直さなければならないときに来ているのかもしれません。
また日本政府は一連のFTA交渉を殊更にEPA(Economic Partnership Agreement)交渉であると主張しています。
単なる小泉氏のキャッチフレーズのようにも思えますが、もし本気で人の移動や投資などについての自由化までを含む経済連携協定(EPA)を目指しているとしたら、農産品や鉱工業品が議題の中心となった今回の交渉はEPAとはとても呼べないものです。
日本は海外に市場の開放を求めるだけでなく、国内市場の開放も含めて交渉をすすめ、少なくともFTA交渉においては相手国に農産品の市場を開放するべきであると考えます。
そのためには国内の農業に関する規制を撤廃し、国際市場で生き残れない産品については構造調整をすすめ、国内の農業分野の競争力を強化することが不可欠です。
海外への資金援助が急激に減少している日本が国際社会へ貢献する道は、市場を開放して外国の経済発展を支えるくらいしかないと考えます。
今回はその合意の内容について考えてみたいと思います。
まず、合意内容を簡単に列挙してみます。(括弧内は筆者注)
1.農業分野(フィリピンが要求)
バナナ、パイナップル、鶏肉は低関税枠を設定(実質上の数量制限)
キハダマグロ、カツオは五年以内に関税撤廃(輸入量少ない)
砂糖は四年後に再協議(実質上の白紙回答)
2.鉱工業品分野(日本が要求)
一部産品を例外にして、即時または段階的に関税を撤廃(実質上日本の要求通り)
自動車は即時または段階的に関税を撤廃(日本の要求通り)
3.労働者の移動(フィリピンが要求)
フィリピンの看護師、介護士に特例ビザ発給(日本は100人程度に抑える予定)
滞在期間中に日本の国家資格に合格すれば在留期間の更新可能(滞在に更なる条件付け)
4.その他
サービス、投資、政府調達(筆者資料不足のため正確には不明、現状維持か?)
さてだいたいこんな形にまとまったのですが、これを見てまず思ったことは「日本は相変わらず、途上国に対しては強気外交である」ということです。
昔から日本はその経済力や資金援助を背景として東南アジアを中心とする途上国に対して強気な外交を展開してきました。
今回もその例に漏れず、日本の主張は相当数受け入れられているのに対し、フィリピンの主張はそのほとんどが退けられ、日本に相当に有利な協定になっています。
前にも書きましたが日本は途上国との共通利益を追求するというよりも、自国だけの利益をひたすら追求する道を選んだというところでしょうか。
しかしWTO協定ではFTAを締結する際、実質上すべての貿易に対して自由化することが義務付けられている(WTO協定24条)にもかかわらず、農業をほぼ棚上げしたままのFTA合意には釈然としないものがあります。
この実質上すべての貿易という語句に関しては明確な解釈がなく、それがFTA締結の際の制限を和らげる結果となっています。
FTAとはそもそもたとえ二国間であっても無関税で貿易制限措置のない地域を増やしていけば、多角的な交渉において関税引き下げにプラスになるという理念に基づいて考え出された制度です。
今回のような農産品等の一部産品を例外扱いするようなFTAが世界的な自由貿易の促進に役立つのかどうかもう一度考え直さなければならないときに来ているのかもしれません。
また日本政府は一連のFTA交渉を殊更にEPA(Economic Partnership Agreement)交渉であると主張しています。
単なる小泉氏のキャッチフレーズのようにも思えますが、もし本気で人の移動や投資などについての自由化までを含む経済連携協定(EPA)を目指しているとしたら、農産品や鉱工業品が議題の中心となった今回の交渉はEPAとはとても呼べないものです。
日本は海外に市場の開放を求めるだけでなく、国内市場の開放も含めて交渉をすすめ、少なくともFTA交渉においては相手国に農産品の市場を開放するべきであると考えます。
そのためには国内の農業に関する規制を撤廃し、国際市場で生き残れない産品については構造調整をすすめ、国内の農業分野の競争力を強化することが不可欠です。
海外への資金援助が急激に減少している日本が国際社会へ貢献する道は、市場を開放して外国の経済発展を支えるくらいしかないと考えます。