飲料メーカーの酒税対策は企業努力か? | ideamngのブログ

飲料メーカーの酒税対策は企業努力か?

最近メディアでアルコール製品についてまた増税がされるという報道を多く見かけるようになりました。

概ねメディアは消費者の負担増を理由としてこの増税に懐疑的です。

また飲料メーカーは今回の増税は企業努力を無にするものであると政府に批判的です。

しかし個人的には消費者の意見はわかりますが、飲料メーカーの企業努力を無にするもので認められない、という意見には疑問を感じずにはいられません。

税金対策をして商品の価格を下げることは企業努力なのでしょうか。

確かに企業にとって税金対策は非常に重要な問題であり、どの企業も税金を少しでも減らすために様々な策を講じています。

しかしだからといって一般の企業が「税金対策」「企業努力」であると主張することはまずありません。

一般の企業の税金対策が主に直接税対策であるのに対して酒税が間接税であることを差し引いても飲料メーカーのこの主張は異常に思えます。

本来、企業努力とは原価の抑制や輸送手段の効率化など費用の削減を通じて商品の価格を下げたり、より品質の良い製品を作り出して販売量を増やすことを指します。

しかし今や飲料メーカーはいかに酒税の低い製品を作り出すかという研究に何年もかけて取り組んでいるのが現実です。

あるメーカーのアルコール飲料は原価はすべての商品で同程度で価格差は税金の差で生まれるところもあると言います。

これは原料調達から製造工程まで最大限効率化された結果であるという見方も出来ますが、私にはむしろメーカーが商品ごとの特性によって出来る費用削減を怠っているように見えます。

メーカーが酒税対策に研究費をつぎ込むのは、酒税がアルコール度数によって大幅に税額が変わってしまうことに原因があると考えます。

そのためメーカーは費用の削減をするより、酒税対策をした方が商品価格を抑えられると考えて酒税対策に研究費がつぎ込まれるようになったのではないでしょうか。

今回の酒税制度の改正で税制調査会は単に増税するのでなく、アルコール度数に基づく税額の変化の簡素化を含む酒税制度全体の改正に言及しています。

酒税のアルコール度数による大幅な税額の変化がメーカを税金対策に走らせている現実を考えると、私もアルコール度数などに基づいて細かく税区分をする現行の酒税制度は改正するべきであると考えます。

消費者にしてみればアルコール飲料の価格が上がることは短期的には打撃になりますが、酒税制度全体が見直されることによって飲料メーカーの製造や輸送、販売の費用削減等の企業努力を促し、将来的には消費者にとってプラスになると考えられます。

従って消費者の理解を得るためにも今回の酒税制度の改正が単なる新しいアルコール飲料への増税で終わらず、しばらくは改正をしなくてすむような、制度の抜本的な改正に繋がることを強く望みます。