マラッカ海峡の安全対策費用は誰が負担すべきか? | ideamngのブログ

マラッカ海峡の安全対策費用は誰が負担すべきか?

近年世界の海賊被害の35%が集中するといわれるマラッカ・シンガポール海峡に新たに船舶テロが発生する危険性が高まり、海峡の安全対策が問題になっています。

マラッカ海峡は300トン以上の船だけで年間6万隻以上が通航し、世界原油の半分、貿易量の4分の1が通過する北東アジア諸国にとって要ともいえる海峡です。

日本は原油の約80%以上を、韓国は90%以上をマラッカ海峡を介した輸送に頼っています。

しかしこれまで海峡を最もよく利用する日本や韓国は、マラッカ海峡の安全対策のための費用をほとんど負担してきませんでした。

このような現状に対して、沿岸国であるマレーシア、インドネシア、シンガポールは近年海峡の安全対策費用が増大しているのを受けて、海峡を利用する国に応分の負担を求めています。

この要求に対し日本は海峡の利用量に基づいて応分の負担をするべきであると考えます。

本来マラッカ海峡は、マレーシアとインドネシアの領海に当たり、他国にその安全対策費用を求めることができる性質のものではありません。

しかしながら海峡を利用する諸外国のために、沿岸国が一般に必要とされる限度を越えて領海の安全対策を講じなければならないとすれば、その費用は利用者が負担すべきであると考えます。

そこでどのような負担をすべきかが問題になりますが、この問題に対してテロや原油に対する安全保障の面から関与を強めたいアメリカは、太平洋軍を動員して同海峡の警備に当たることを提案しました。

しかしこの提案に対して沿岸国は同海峡にアメリカの軍艦が出入りすることは「国家主権に反する」として即座にこの提案を拒否しました。

マラッカ海峡が沿岸国の領海に当たる以上、この判断は当然のものであり、外国の軍隊などが警備を担当することなどは現実的ではありません。

したがってマラッカ海峡の安全対策に対して外国が応分の負担をする最もよい手段は、利用量に従って各国が安全対策費用の一部を負担することであると考えます。

また各国が安全対策費用を負担する際、資金の拠出量を真に公正なものにするために通航する船舶ごとに一定の料金を支払う通航料形式が最も適切であると考えます。

この形式はボスポラス・ダーダネルス海峡で取られている形式であり、船舶の通航量に対して応分に費用を分担することができます。

マラッカ海峡では以前からイスラムテロ組織による船舶テロが発生する可能性が指摘されています。

船舶テロが発生するのを阻止するためにも海峡利用国は十分な費用の負担をして、沿岸国が十分に海峡の安全対策をすることができるようにするべきであると考えます。

安全対策費用を利用国が負担することで中東から日本への輸送費が増大し、消費者に多少の打撃があるかもしれません。

しかしながらマラッカ海峡で船舶テロが発生することに比べれば、その打撃は許容できる範囲に収まるのではないかと思います。