伝染病の歴史
前述したようにBC2000年頃、バビロニアの「ギルガメッシュ叙事詩」で伝染病は四災厄に数えられていた。
しばらくは伝染病の種類とその歴史について語ってみる。第1回は天然痘。
天然痘
天然痘による累計死者は3億人。
あらゆる伝染病の死者よりも多い病気である。
人のみが感染するウイルス性の病気で感染した人はすべて発症する。
確認されている最古の患者は古代エジプトの第20代王ラムセス5世。彼のミイラ頭部には天然痘の痕が残っている。
日本でも崇神天皇の時代に疫病が流行り、日本書記では、人口の半分がなくなったとされている。天皇は出雲祟りを恐れ天照大野神を遠ざけ、大物主を祀ったと言われる。
天然痘は仏教伝来時に大陸から日本にもたらせれ、多くに死者を出した。
飛騨地方には、さるぼぼという人形のお土産がある。
さるのぼぼ(=赤ちゃん)という意味だがこのさるぼぼ真っ赤な色をしている。赤には天然痘などの厄除けの意味があるらしいが。
737年平城京で大流行、藤原四兄弟が死亡、伊達正宗の失明も天然痘によるものとされている。
1866(慶応二)年に孝明天皇も天然痘で死亡している。
コルテスがアステカ文明を侵略、滅亡させた原因も彼が持ち込んだ天然痘等の伝染病(近年の研究によりチフスという説もある)により免疫抗体を持たないインディオが集団感染し、2000万人以上いた人口の9割が死亡したという凄まじい記録がある。
人類がかかる伝染病で歴史史上撲滅できたのは天然痘だけである。

