木材の着色について | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

ヴァイオリン職人の作風を決定づけるのに木材の着色は重要な役割を果たしますが、経験をしないと見えてこないものでもあります。今回は基本的なことから応用まで表板について紹介します。

2016年4月6日、追記があります。





こんにちは、ガリッポです。


今日は木材の着色について考えていきます。


木材は木の種類によって独特の色を持っていて個体差や部位によっても異なります。
弦楽器の本体に使用する木材は白い色をしているので風合いを出すために色を付けることがあります。


木材はスポンジのように液体を吸い込みます。この時液体に色がついていればそれが染みつくわけです。このように一度染み込んだ色は拭いても取り去ることはできません。木の上に色を塗っているのであれば表面を水や溶剤などで拭いたり削ったりすれば色が取れますが染み込んだ色を取ることはできません。


弦楽器の木材を染めるということは古くからおこなわれていてアマティやストラディバリにも見られますし、フランスやイタリアのモダンヴァイオリンでも広く行われてきました。全く染めないで木そのものの色のままということもあります。それでも古くなると木が変色して新しい白木よりははるかに黒ずんだ色調になります。それらを含め、染め方は個人や流派によって違いがありそれこそが「作風」を形成していると言えます。見た目の印象に大きな影響を与えるからです。


古代から衣類のための糸や布などを染めるということは行われてきました。高価な貴重な染料を使える人は限られたため、衣服の色によって身分があらわされるほどでした。現在では人工的にどんな色でも作れるようになったので服の色によって裕福さが表されるというのはピンときません。


こちらでは粗悪な品物が多いという話をしましたが、私も黒のTシャツを何枚か買いました。洗濯しているうちに色が薄くなって茶色のシャツになってしまいました。おそらく同時に洗濯した白のシャツがグレーになっていることでしょう。


それはともかく布や糸を染めることに比べると木材を染めるには難しい点があります。木材は液体を均一には吸い込まないということです。場所によって多く吸い込むところとそうでないところがあるのです。そのためとても汚らしい印象になってしまう失敗が起きます。

ニスマニアになってとても凝って楽器を作る職人もいますが下手すると凝れば凝るほど汚くなっていきます。また安価な量産品でひどいものは汚らしく染められているものがあります。そういう楽器を見ていると森林資源の無駄だと頭にきますが一般の人には見分けがつかないようです。

染めるのが難しい針葉樹


裏板は比較的うまく染まるのですが、特に難しいのは表板です。
これは針葉樹に分類される木です。

スギや松など葉が針のように細くなっていることから名づけられたわけですが、イメージしてもらうにはクリスマスツリーのような木と考えてください。日本で代表的な針葉樹のヒノキというのは建材に使う最も重要な木材です。日本の木工技術ではこの木を加工することを前提に工具が作られていると言ってもいいでしょう。ただし、ヒノキは日本と台湾にのみ生育する木でヨーロッパにはありません。
同じ世代の人は分かるかもしれませんがドラゴンクエストIIというゲームで「ひのきのぼう」という武器が出てきました。竜退治をモチーフにしたファンタジーの世界観は一応中世ヨーロッパをベースにしていますからヒノキは貴重な珍しい木材なのです。安物の弱い武器として登場しているのは分かってみるとおかしいです。ちなみに初代のドラゴンクエストの「たけざお」に変わるものとして登場しています。竹もヨーロッパにはありません。ヨーロッパでパンダを飼育するのは大変です。確かオランダに竹を栽培しているところがあってイギリスの動物園では空輸しているようです。

なんの話でしたっけ?・・・そうです、ヨーロッパの針葉樹というとクリスマスツリーのような種類の細長い木です。

針葉樹は主に温帯から冷帯にかけて分布する植物でロシアの雄大な針葉樹林をタイガと言います。熱帯の植物というよりは比較的寒いところの木と考えていいでしょう。

多くは冬でも葉が落ちることはない常緑樹で夏と冬では気温の差によって成長速度に違いが出ます。夏は成長が早く冬はゆっくりになるので木の密度に違いができます。はっきりとした年輪が刻まれます。冬に成長した部分は冬目と言い密度が高く濃い色をしていて、夏の部分は夏目といい密度が低く白い色をしているので輪切りにすると冬の部分が年輪として見る事ができます。

弦楽器の表板は板にするときの向きが違うので縦に縞模様になって現れます。冬目が濃い色で縦の縞になるのです。

線になっているところが冬の間にゆっくり成長した部分で冬目と言います。白いところが夏目です。

染色する場合一つの大きな問題は、冬目と夏目で染料の吸い込み方が違うということです。硬く詰まった冬目はあまり吸い込まず、柔らかくてスポンジのような夏目は多く吸い込みます。その結果本来明るいはずの夏目のほうが色が濃くなり、冬目のほうが明るい色になってしまいます。


こうなると大失敗です。

音には関係がありませんが表板に着色しようとしたり、目止めをせずにいきなり色ニスを塗るとこのようになります。楽器はとても汚いものになり、職人の評価も素人とされるでしょう。

イタリアのモダン楽器でもこうならないように神経を使っている人もいれば、すっかり逆転してしまっている作者もいます。同じ流派や家族でも無頓着な人と繊細な仕事をしている人には大きな差があります。私が「名ばかりの巨匠」と言うのはニスを塗る作業を簡略化するために汚く木に色を付けてしまうような雑な仕事をする職人のことです。

ちなみにG・F・プレッセンダも表板に色が入っているのが特徴です。偽物の多い楽器でプレッセンダラベルの楽器をいくつか見ましたが、染色に失敗していることで本物らしい印象を受けます。


DIYなどで木工製品を作った時に独特の汚らしい感じになってしまうのはこれが原因です。むしろそれをセンス良く風合いとしてうまく利用して安上がりに仕上げている製品もありますが、私の目はごまかせません。冬目の方が明るくなって逆転してしまっています。


染料のことを英語ではStain(ステイン)と言いますが、写真のネガフィルムと同じく色が反転するのでネガティブ・ステインと言います。ネガティブステインについてインターネットで検索すると検索結果のほとんどはウイルスや細胞、タンパク質などを電子顕微鏡で見るために染色することがヒットします。

それだけ木工の染色はあまり知られていないことなのでしょう。



表板に強く濃く染色すると色が反転した状態なってしまうので失敗作になってしまいます。そのため表板に染色することは困難だと言えます。失敗した場合本当に見苦しいものになり一度染めてしまったものは色を取り除くことができません。せっかく苦労してここまで作ってきた楽器が染色の失敗で台無しになってしまうのです。そのため表板の染色はするべきではないと考えています。
過去の修理でひどい色に傷の周辺が染められてしまうこともあります。こういう場合は本当に苦労します。


それに対してポジティブステイン、ポジティブ染色ということはあるのでしょうか?
理屈の上の対義語として、ポジティブステインは針葉樹に染色した時に色が反転することなく均等にもしくは年輪のほうが濃くなる染料と想定します。

日本でも木工というのは盛んに行われていて塗料メーカーもあります。しかし調べたところではポジティブステインなるものを日本で売られているところは見たことがありません。

歴史的に使われてきたもの

染めるのが難しい表板も古くなると木が勝手に変色して色が濃くなってきます。したがって放置しておけば勝手に色が変わります。

工業生産で品物を貯蔵しておくということはできませんからそんなわけにもいきません。
人工的に古く見せかけるため使用された薬品があります。


まずは硝酸です。
これまでも当ブログで触れてきましたが、硝酸を木と反応させて色を変えるものです。非常に強力な効果があります。
その反面木材をダメにしてしまうという欠点もあるということを指摘してきました。
いわばドーピングみたいなものです。
人工的に木を古くするものですが、同時に新しい楽器ですでにボロボロになっているのです。割れなどのトラブルが起きやすく修理も不可能です。

新しい楽器で非常に濃い色の年輪の楽器があった場合には逆に恐ろしいと言えます。





ドイツの大量生産品などではこれとは違う染料が使われてきました。ドイツ語でゼッツァーバイツェというものでかつて弦楽器業界ではよく使われていたものです。しかし有毒性などの理由で近年これの製造がされなくなりました。ゼッツァーバイツェは裏板などカエデ材に使うと少し灰色~緑がかった茶色になります。この上にオレンジ色のニスを塗るとトータルで程よい茶色に見えるのです。ニスが剥げているところを見ると灰色に見えます。これでドイツの量産品の流派の楽器だとわかるわけです。ニスが剥げていなければわからないかもしれません。

現在もあるドイツのコントラバスのメーカーはこれで染色していると聞いています。表板は均等に染めるのが難しいですが、年輪のところも色がつくので全体的に色が付きネガティブにならずに染色ができます。イミテーションのトリックを併用することで同社のコントラバスは染色の汚さが目立たないようになっています。

同じことはブーベンロイトの量産品でも行われてきたでしょう。ヴァイオリンやチェロのように小さな楽器ではいかにもドイツの量産品という感じがします。最近の量産品はこれとは違い人口の着色料で裏板を茶色に濃く染めてしまうのが主流です。


現代では裏板も染めることを嫌う職人もいます。このような量産品と似た印象になることを嫌がっているのでしょう。しかしながら初めに説明したようにオールドやモダンの名器でも行われてきましたし、上手く染められたものは大変に美しいものです。したがって下手な染色ならするべきではありませんが、上手く染められる技術は称賛に値します。とても難しいものです。


ところでやや灰色になってしまうゼッツァーバイツェですが、私も修理などで部分的に新しい木を取り付けた時には大いに利用してきました。ところが残っているビンの中身が無くなればもはや買うことができません。

そこでそれに代わる製品を探してみました。

逆転の発想

ネガティブにならずに年輪をはっきりさせる方法を考えてみましょう。

それは上に塗るニスの色を濃くするわけです。
このニスは木に染み込ませるのではなく上に塗ってあるだけのものです。もちろん均一に色が付きます。
このとき、夏目のところを白く染めて天然の木よりも明るくすれば上から濃い色のニスを塗った時も夏目のところがそれほど濃く見えません。このため相対的に冬目のラインが濃くなるということです。木よりも明るい色に染めれば吸い込みやすい夏目がより白くなるのです。


この手法はおそらく楽器を古く見せるというよりも赤やオレンジのニスの色を鮮やかに見せるのに役立つでしょう。


白く染めると言っても細かい粉末を擦りこむこともできます。いろいろな石を粉にしたものや石を粉にした顔料を使うこともできます。素材によって反射する仕方は違います。化粧品のファンデーションと同じです。実際雲母などファンデーションに使われている材料も使えます。

また鮮やかな黄色に染めるという方法もあり得ますし、石と黄色を組み合わせることもできます。黄色系の土系顔料を使うこともできます。夏目を強く反射させてニスを明るく輝かせるのです。


この分野に関しては申し訳ありませんが、私の作風とは全く正反対のものなのです。何年か研究していた時期もありますが私の目指す「落ち着いた風合い」とは相反するものです。私の目には毒々しい色に写ります。他の楽器を押しのけて目立ちたい場合、製作コンクールなどでは良いのかもしれません。


鮮やかな色を作りたいとしてもアルコールニスの場合鮮やかなオレンジや赤を作る染料はたくさんあります。したがってこのようなことをする必要はないでしょう。必要性があるとすればオイルニスです。

市販されているポジティブステインのテスト

日本では見たことがありませんが、ヨーロッパでは針葉樹を均一に染めたいという需要があるようで塗料メーカーが製品を出しています。

オーストリアのメーカーのものを今回購入してテストしてみました。
原理は詳しく書いてありません。考えられるのは・・・

①何らかの方法で化学的な反応なのか何だかわかりませんが年輪のラインを濃くする
②染み込みすぎないようにしムラを防ぐ
③夏目を白くすることで逆転を防ぐ

おそらくこれらを組み合わせて製品として完成させていて、内装業や家具製作などの本職に向けて販売されているものです。表示にも「×DIY」と書いてあります。業務用の染料ということになります。


まずテスト用の木片を用意します。塗装に関して大事なのはあらかじめテストをしておくことです。いきなり本番で失敗すると取り返しがつかないからです。このような手間をかけるマニアックな人は少ないので師匠に教わったたった一つの方法を生涯使い続けるのです。

このように木を加工します。なぜかと言うと木の繊維の向きによって吸い込み方が違うためそれをテストするには平らな板ではダメだからです。もちろん棚のように平らなものを作るならそれでもかまいません。

比較のためには同じ木からいくつもテスト用の木片を必要とします。切り取ります。

同じ条件でテストできます。木の表面はきちんと仕上げておかないとガサガサしていたり傷があるとそこが強く染まってしまうのです。


左から何も染色をしていないもの、ポジティブステイン、普通のステインです。ポジティブステインの色名はオーストリアの製品で「Fichte Alt」と書いてあります。スプルースの古色という意味です。
何も塗っていないものに比べてわずかに全体が黒ずんでいます。年輪もちょっと濃く見えます。効果は微妙です。硝酸に比べると効き方がはるかに弱いです。一番右は逆転はしていませんが色がついているところとついていないところに差があります。染料を多く吸い込むところには色が多く付いてオレンジ色っぽくなっています。吸い込んでいないところは無着色のものに近いです。別の角度の写真で

奥から無着色です。
やはりポジティブステインの効果で真ん中のものはグッと締まって見えます。手前の普通のステインではムラができています。

実際のヴァイオリンでも表板を染めたり目止めに失敗したために色がついているものがあります。この場合も場所によって吸い込む量が違うのでムラができます。色が濃ければ反転し、反転しなくても色ムラになってしまいます。

裏板の場合

裏板に使われるカエデは広葉樹で木の密度が均一です。冬の間は葉を落とし休眠しています。

カエデの場合も年輪はありますが針葉樹のようにはっきりしていません。それよりも横方向に生じる杢という縞模様のほうが強いため染めた場合杢が強調され効果的です。これも失敗すれば汚くなりますがうまくいけば効果的なものです。ストラディバリも見事に着色していることでしょう。

カエデでも板目取りの板目板になると杢が弱くなり、年輪の模様が断面になって出てきます。特にエレキギターに使うハードメイプルは年輪のラインが地形図の等高線のようはっきり出ます。ヴァイオリン用のものはずっと目が細かいものが好まれギターでは年輪の間隔が広いものが好まれます。

この年輪に沿って液体を吸い込まない層があります。そのため板目板を着色すると針葉樹のような逆転現象が起きます。アマティの楽器にも濃く着色したために逆転現象を起こしているものがあります。また古いヴァイオリンではニスが剥げた後汚れが刷り込まれて逆転しているものもあります。

普通の人が見ても分かりませんが板目板の着色は難しいものです。逆転を避けるためにはあまり濃い色に着色できず柾目板よりもずっと弱い杢の見え方になります。

弦楽器への応用

効果は微妙でしたが全体的にうっすらと黒ずんだ色になっていたことはステインとしては成功です。何も知らない人が見て違いが分かるレベルではありませんが、汚くもありません。もう少し色が強くつくように製品や配合を変えてみたいと思います。

他にも色の種類があり、組み合わせることもできます。これよりも濃い色を使うと今度はネガティブな染みになってしまうでしょう。したがって、白い色の明るくなるものと濃い色のものを混ぜて使うことができます。この比率を変えることで効き方を変えることができるでしょう。

今後も研究を続けていきます。


この内装や家具用のステインを弦楽器に応用できるかについてですが・・・

コーナーやエッジなど修理の時に新しい木を取り付けた場合周辺より木の色が明るくなってしまいます。上から濃い色のニスを塗っても明るく光ってしまいますし、また擦れて剥げた時に白い木が顔を出すと目立ちます。

そのため色を付けたいわけですが、ネガティブに反転してしまうことはよくあります。したがってもうちょっと効果が強ければ有効でしょう。コントラバスのエッジの場合、木材の質も建材などに近い荒いものですからこの製品が使われる本来の木材に近いことでしょう。


新作の表板への使用はムラができないのであれば使うこともできるかもしれません。効き方が弱いので効果がはっきりと出ないかもしれません。そんなことをしなくても年輪をくぼませる表面処理によって年輪を強めることができます。

このようにも強調できます。これはアンティーク塗装用ですが、やり方によっては細く真っ直ぐなラインにすることもできます。

したがって修理の時と同様にエッジ部分への使用が期待されます。このような人工の染料であってもエッジ部分であれば今後摩耗して失われてしまいます。灰色に染めることでニスが剥げてしまって汚れが染み込んでいるように見せることもできるでしょう。



このように非常に難しい針葉樹の染色ですが、多大な苦労と失敗のリスクの割に得られる効果が少ないとすれば、表板は染めるべきではないという結論で良いことになります。
20年もすれば木の色は変わってきます。また、太陽光や紫外線に当てることでも色が変わりますケースから出してある楽器のほうが色が変わります。ニスを塗る前のヴァイオリンを何年も日に当てておくと黄金色になります。自宅に障子などがある場合木の枠を見てみてください。実は家が建ったばかりの時は真っ白だったはずです。それが茶色っぽく変色して今の色になっているのです。古い家ほど色も濃くなっているはずです。

それに比べたら微々たる効果のステインをする必要性はなさそうです。
ただしエッジなど部分的に使用すると楽器の印象はガラッと変わってくるでしょう。

続報は紹介していきます。


弦楽器は普通に作ると平凡なものが出来上がり、それが古くなることで音も見た目の印象もよくなって名器っぽくなっていくものです。新しい楽器でそれを実現しようとするのは困難なことです。

素人を騙すようなことはできても、何かトリックを使うと大きな副作用が出ます。副作用を出さない程度にトリックを使うとなるとわずかしか効果が無くなってしまうのです。音も見た目もパッとしないものになるのです。

副作用によって醜く汚くなってしまった楽器を私は許せません。もし自分の楽器がそのようになったら大失敗です。しかし、楽器を販売する業者にはそれが見えていないのでひどく汚い楽器が売られています。木材の無駄です、止めてもらいたいものです。

<追記>
ポジティブステインの効果が微妙だったので工夫してみました。

ステインを染み込ませる時に一度に木が吸いこむ量は限られています。乾いてからもう一度染色することができます。3回染色してみました。

左が無着色、右が3回ポジティブステインで染めたものです。全体に茶色く色がついていますが色の反転も起きずムラも少なく仕上がっています。これなら確かな効果があります。このようなステインは非常に珍しいものです。

木口方向でも色が逆転していません。これならエッジの修理などにも使えそうです。

このように完成された製品であっても使いこなしにはさまざま試してみる必要があります。他にも失敗をたくさん重ねた結果このような使い方を見つけました。

弦楽器製作でもアンティーク塗装のトリックでもやり方を言葉で聞きかじってもそれだけではうまくいきません。結局は微妙な加減を見つけるために何度も実験をする必要があります。

頭を使ってあれこれ考えて手を使って技能は身に着くものです。やり方を人に聞いて回ってもダメです。それは手仕事ではなく口仕事なのです。ヘタクソな職人は手を使うのではなく口ばかりを使っているものです。