試演奏の募集をします | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

こんにちは、ガリッポです。

ヴァイオリンの製作についてずっと記事を書いてきましたが、実際に弾いてみたいという人には今回もその機会を用意します。前回も多くの方から「楽しかった」と言っていただきました。私も楽しませていただきました。


何か商品を購入するときそれが一番優れていると信じ込みたいという願望は分かります。しかし現実にはその商品が誕生して間もない時期を過ぎれば他のメーカーも同等の製品を作ってきます。ヴァイオリンについて言えば500年前には一部の作者にしか優れたものは作れなかったかもしれません。しかし、500年も経った今ではそのようなことはあり得ません。
特定のメーカーが優れているという「幻想」を消費者が求めていて日本の弦楽器業界はそれに真摯に応えるため幻想を作ってきました。
しかし幻想に高いお金を払いたい人ばかりではないでしょう。バブル経済崩壊以降に生まれた人も4/4の楽器を手にする時代になりました。時代は完全に変わっているのです、そのためか私のブログも多くの方に読んでいただいています。


特定の作者だけが優れているというのが幻想でどれも同等なら価値はなくなってしまうのでしょうか?


私は弦楽器業界で働いていていろいろな演奏者の人と会います。
おもしろいのは人によって気にするポイントが大きく違うのです。幸いにも小さな会社で働いているので楽器選びを目の当たりにしたり、お客さんの話を直接聞いて修理などの仕事にあたったりすることができます。仕事もただ決められた作業をするのではなくお客さんが何を望んでいるのかによって変えていく必要があります。

たとえばニスの補修をするとき、新品のように剥げたニスを補修するのが良い人もいれば、古くなって趣きが増したと考える人には古さを生かすように仕上げます。

これが音になると本当に千差万別です。
ウンチクで説得して「これは良い楽器だ」と洗脳することでは幸せは得られないでしょう。


同等とは言っても全く同じ音がするわけではありません。どの楽器もみな少しずつ音が違うのです。ある部分ではこの楽器が優れていて、別の要素では別の楽器のほうが優れているというように一長一短なのです。全面的にすべてが優れている楽器を探している人もいるかもしれませんが、一生見つからないことでしょう。演奏の腕でカバーすることに努力するほうがまだ可能性があります。

それぞれに持ち味があるからこそ面白いのが弦楽器だと思います。
ある演奏者にとってはまったく印象に残らないような楽器が別の演奏者の心にはうっとりするほど美しいものと感じられることがあるのです。私は実際にそのようなお客さんの声を聞くことがあります。


私の作る楽器も他の職人の楽器と同等なもので特別優れたものではありません。
それでも独特な味わいがあると思います。





希望される方には試演奏をできるようにしたいと思います。
1月3日あたりから24日くらいの間で考えています。
首都圏は1月の第二週あたりを考えています。
それ以外の方はそのあと1月24日くらいまでで都合があえばということになるでしょう。
関東東海関西地方を中心に最寄駅まで出向きます。
日中でも夜間でも可能です。


演奏できる場所を用意してください。普段の練習の感じでかまいません。
実際に弾いていただいたうえで楽器談義ができればと思います。私もみなさんの考えてらっしゃることも聞きたいです。

今回は申し訳ありませんが試演奏可能なのはヴァイオリンのみということになります。

予定がまだわからなくても申し出だけでもしておいてください。
キャンセルはいつでも可能です。

戦前など少し古いドイツ製の弓も用意できます。
興味ある方は価格帯を教えてください。


必要事項を記入の上申し込んでください。
申し込みはこちらからどうぞ

①お名前
②お住まいの都道府県市町村名
③最寄駅
④通常の余暇時間もしくは勤務時間
⑤都合の悪い日
⑥簡単な自己紹介
⑦希望など一言コメント
⑧その他質問や連絡事項、弓の希望など


そのあとメールのやり取りによって予定を確定します。


ヴァイオリンの購入を検討している方はその旨を知らせてください、折り返し詳しく説明します。
予定が確定した時点で本名の自己紹介します。




というわけでよろしくお願いします。