次の連載テーマは「気楽にストラディバリを味わう」です。 | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

これからはストラディバリについて取り上げていこうかと思っています。

99.99%の演奏者にとっては実際に使うこともなく知る必要もない情報です。
それどころか、浅はかな知識を持つことは弦楽器の理解を難しくします。

音については演奏者、伝記については歴史家に任せるとして、技術者の立場からストラディバリの仕事ぶりに迫っていこうと思います。


これまでも、ストラディバリの研究と称して科学者やヴァイオリン職人が様々な研究をしてきました。
「ストラディバリの秘密を解明した」とセンセーショナルな記事がメディアに登場し、その研究によって画期的に音が良い楽器を作ることに成功したと職人は言います。

もし本当に画期的に音が良いのなら、音だけで評価させるために「ストラディバリの研究をした」ということは隠すべきですよね。


本物のストラディバリでさえ目隠ししてヴァイオリンの音を試すブラインドテストで低い評価を受けることもしばしばあります。
もし秘密を解明したとしても、同様の結果になるのではないでしょうか?

さらに、作られてすぐの楽器と300年経った楽器が全く同じ音なのでしょうか?


このように頭の良い人には、優れた音の楽器を求めるのならストラディバリを研究してもあまり意味がないとわかるでしょう。



今回私が目指すのはそのようなことではなく、もっと気楽に蒸気機関車や1960年代のF1マシンを見るように「ストラディバリウスってこんな風に作ってあるのか」と楽しんでみるというのはどうでしょう?

ストラディバリを神様のように崇拝するのではなく「ただの職人」として見たとき、より真の姿を垣間見ることができるかもしれません。
そこに味わいが感じられるかもしれません。


ただ今準備中です、私自身でストラディバリの楽器を購入するわけにはいかないので、画像などを使う場合に許可が必要になり難しい点もあります。
無許可で画像を使用するようなことは避けたいので見にくいことになるかもしれませんが、ストラディバリならばネット上に多く画像が出ていますのでリンクを張るなどして何とかやっていきましょう。

お楽しみに。