陣痛分娩室に入ったのが10月11日朝9時頃。本格陣痛の始まりからすでに21時間が経過していました。
陣痛は3分おきでしたが、子宮口開大は5~6cm。全開大になるまで自由に過ごしていいと言われました。が、陣痛があまりに辛くてベッド上で唸っていることしかできません。
前日からあまり食べられていないのと、丸1日続いた陣痛でほとんど眠れていないので、体力はすでに限界に近い状態でした。
陣痛はどんどん強くなり、その度に赤ちゃんが出そうな感覚に襲われます。でも、まだ全開大になっていないからいきむなと言われます。陣痛が来るたびに「いきまないで、深呼吸して~」と言われるけど、それが難しい!いきまずにいられない感じです。
大学病院のため、看護学生が実習にきていたので、腰をさすってもらいました。
夫立ち会いだったので夫にもさすってもらったり、飲み物を補給してもらったりしました。
ありがたかったのですが、感謝の言葉をかけられる余裕もありませんでした。
まだなの?まだ我慢しないといけないの?って思いながらずっと陣痛と闘っていました。
12時。昼食が運ばれてきました。
「朝も全然食べてないでしょう?体力が持たないから頑張って食べてください。旦那さんにたべさせてもらって。」
そう助産師に言われて旦那さんがスプーンで口元まで持ってくるけれど、一口食べたらもう無理!そうしてる最中にも陣痛は否応なしに襲ってくるし、食べたいって気持ちはみじんも感じられない。
ご飯が食べられないからと、旦那さんはウィダーインゼリーを買ってきました。水だと思ってごくごく1本飲みほしました。
13時40分、ようやく子宮口全開大。分娩体位をとることに。
やっと!やっと出せる。我慢しなくていいんだ。
そう思うと少し気が緩みました。しかし・・・
「深呼吸して、陣痛に合わせて自分のタイミングでいきんでください。」
やってるけど、なかなか進まない。
何度も何度もいきんだけれど、全然出てくる気配はありません。
分娩体位をとってから、徐々に陣痛が微弱になってきているようでした。そして、自分の体力も限界に来ていたので、なおさら分娩が進まない状態でした。
「陣痛が微弱になってきているので、一回体位戻しましょう。足閉じていいですよ。」
また陣痛が強くなってくるまで待つということです。
またいきんではいけない、我慢の時間が来るということ。
もはや産むのをやめたい気持ちでいっぱいでした。
そうしているうちに医師がぞろぞろとやってきて、診察を始めました。
ガタイのいい男の先生に、太い指で中をぐりぐりかきまわされました。それがもうとにかく痛くて痛くて陣痛の時の比じゃないくらい叫んでいました。
「もう髪の毛触れてるね。いけるよ、このまま産めるよ。」
そういわれてまた分娩体位をとることに。
でも、いきむたびに赤ちゃんの心音が弱くなったり、陣痛の間隔が開いてきたり、なかなかうまく進まないまま時間が過ぎていきます。
「微弱陣痛になってるね。赤ちゃんは元気だからこのまま陣痛強くなるの待っててもいいけど、お母さんつかれてきちゃってるから陣痛促進剤使うこともできるけど、どうする?」
「使ってください。少しでも早く出したい。」
即答しました。もう限界。いっそ帝王切開にしてほしいくらい。
お腹切ってもいいから今すぐ出して!って思いました。
その時確か16時くらいでした。
促進剤を投与すると、徐々に陣痛が強くなっていきました。時々赤ちゃんの心音が弱まるので、少しでも酸素をいっぱい与えるためにと酸素マスクを装着。
「もうすぐだよ。ちゃんと今日中に生まれるからね~」
そうでないと困る。これで日付変わるなんてことになったらそれこそ死んじゃう(苦笑)
女の先生から「堅いうんち踏ん張るときみたくいきんでみて~」と言われました。
それがすごくわかりやすくて(笑)そこからわりとうまくいきめるようになりました。
踏ん張ること約2時間。
「頭もう見えてるよ。もうすぐだよ。頑張って~」
もう、いきみすぎて頭の血管が切れそうでした。
「あと1回。あと1回で出てくるよ。もうちょっとで赤ちゃんに会えるよ~」
最後の力を振り絞って、このまま死んでもいいくらいの勢いでいきみました。
前もって局所麻酔をしていたこともあり、出産の痛みでそれどころじゃなかったこともあり、会陰切開されたのは全くわかりませんでした。
「でるよでるよ。踏ん張って!」
次の瞬間・・・
にゅるん!と赤ちゃんがでて、そのあとジャーッと羊水が出たのがわかりました。
そしてオギャーッと可愛い声が・・・。
「おめでとう。男の子です。」
17:58でした。
やっと出た。ああ、やっと出た~~~~
どっと疲れが押し寄せました。
時間がかかったため、赤ちゃんの呼吸や泣き声が弱く、しばらくモニタリングすることに。
旦那さんが写真を撮ってくれていたので、その間は写真で赤ちゃんの顔を見ていました。
実際に抱っこして顔が見れたのは30分くらいしてからでした。
3108gの男の子。
浮腫んだ顔、どっちに似ているかわからなかったけど、とにかく愛おしい気持ちが溢れてきて、そのぬくもりを感じた瞬間涙が出ました。
「頑張ったね、ありがとう。」
自然にその言葉が出ました。
旦那さんからも「お疲れ、頑張ったな。」と言ってもらい、なんだか胸がいっぱいでした。
それからはもうすっかり安心してしまい、急に眠気と空腹が襲ってきました。
会陰切開部を縫合し、すべて終わったあとに改めて赤ちゃんをしっかり抱くことができました。
思ったより重くて、その重みが実感となり「ああ、産んだんだ。生まれてきてくれたんだ。」と感じました。ついさっきまでお腹の中で動いていた子が、今ここにいる。すごく不思議な気持ちでした。
人間ってすごいな。勝手にお腹の中でこんなに大きく育って産まれてくる。とても神秘的です。
出産ってこんなに大変なんだ。だからこそ、わが子は可愛いと思えるんですね。
すっかり落ち着いた頃、夕食が運ばれてきました。
「食べれそう?」
そんな助産師の心配をよそに、完食しました(笑)
なんたって丸一日以上ほとんど食べていなかったし、出産でかなり体力消耗したし、そのときの空腹といったらハンパなかったです(爆笑)
両親や旦那さんのお母さんが面会にきて、赤ちゃんを抱っこしてくれました。みんなに頑張ったねと言ってもらい、また泣きそうになりました。
その後夜21時まで分娩室で点滴をしました。トイレに歩いてみたらもうフラフラでした。めまいがすごい。もちろん車いすで病棟に戻りました。
分娩所要時間30時間2分。
私の中では本当に壮絶な30時間でした。
出産の大変さと命の尊さを実感した、貴重な時間でした。
陣痛は3分おきでしたが、子宮口開大は5~6cm。全開大になるまで自由に過ごしていいと言われました。が、陣痛があまりに辛くてベッド上で唸っていることしかできません。
前日からあまり食べられていないのと、丸1日続いた陣痛でほとんど眠れていないので、体力はすでに限界に近い状態でした。
陣痛はどんどん強くなり、その度に赤ちゃんが出そうな感覚に襲われます。でも、まだ全開大になっていないからいきむなと言われます。陣痛が来るたびに「いきまないで、深呼吸して~」と言われるけど、それが難しい!いきまずにいられない感じです。
大学病院のため、看護学生が実習にきていたので、腰をさすってもらいました。
夫立ち会いだったので夫にもさすってもらったり、飲み物を補給してもらったりしました。
ありがたかったのですが、感謝の言葉をかけられる余裕もありませんでした。
まだなの?まだ我慢しないといけないの?って思いながらずっと陣痛と闘っていました。
12時。昼食が運ばれてきました。
「朝も全然食べてないでしょう?体力が持たないから頑張って食べてください。旦那さんにたべさせてもらって。」
そう助産師に言われて旦那さんがスプーンで口元まで持ってくるけれど、一口食べたらもう無理!そうしてる最中にも陣痛は否応なしに襲ってくるし、食べたいって気持ちはみじんも感じられない。
ご飯が食べられないからと、旦那さんはウィダーインゼリーを買ってきました。水だと思ってごくごく1本飲みほしました。
13時40分、ようやく子宮口全開大。分娩体位をとることに。
やっと!やっと出せる。我慢しなくていいんだ。
そう思うと少し気が緩みました。しかし・・・
「深呼吸して、陣痛に合わせて自分のタイミングでいきんでください。」
やってるけど、なかなか進まない。
何度も何度もいきんだけれど、全然出てくる気配はありません。
分娩体位をとってから、徐々に陣痛が微弱になってきているようでした。そして、自分の体力も限界に来ていたので、なおさら分娩が進まない状態でした。
「陣痛が微弱になってきているので、一回体位戻しましょう。足閉じていいですよ。」
また陣痛が強くなってくるまで待つということです。
またいきんではいけない、我慢の時間が来るということ。
もはや産むのをやめたい気持ちでいっぱいでした。
そうしているうちに医師がぞろぞろとやってきて、診察を始めました。
ガタイのいい男の先生に、太い指で中をぐりぐりかきまわされました。それがもうとにかく痛くて痛くて陣痛の時の比じゃないくらい叫んでいました。
「もう髪の毛触れてるね。いけるよ、このまま産めるよ。」
そういわれてまた分娩体位をとることに。
でも、いきむたびに赤ちゃんの心音が弱くなったり、陣痛の間隔が開いてきたり、なかなかうまく進まないまま時間が過ぎていきます。
「微弱陣痛になってるね。赤ちゃんは元気だからこのまま陣痛強くなるの待っててもいいけど、お母さんつかれてきちゃってるから陣痛促進剤使うこともできるけど、どうする?」
「使ってください。少しでも早く出したい。」
即答しました。もう限界。いっそ帝王切開にしてほしいくらい。
お腹切ってもいいから今すぐ出して!って思いました。
その時確か16時くらいでした。
促進剤を投与すると、徐々に陣痛が強くなっていきました。時々赤ちゃんの心音が弱まるので、少しでも酸素をいっぱい与えるためにと酸素マスクを装着。
「もうすぐだよ。ちゃんと今日中に生まれるからね~」
そうでないと困る。これで日付変わるなんてことになったらそれこそ死んじゃう(苦笑)
女の先生から「堅いうんち踏ん張るときみたくいきんでみて~」と言われました。
それがすごくわかりやすくて(笑)そこからわりとうまくいきめるようになりました。
踏ん張ること約2時間。
「頭もう見えてるよ。もうすぐだよ。頑張って~」
もう、いきみすぎて頭の血管が切れそうでした。
「あと1回。あと1回で出てくるよ。もうちょっとで赤ちゃんに会えるよ~」
最後の力を振り絞って、このまま死んでもいいくらいの勢いでいきみました。
前もって局所麻酔をしていたこともあり、出産の痛みでそれどころじゃなかったこともあり、会陰切開されたのは全くわかりませんでした。
「でるよでるよ。踏ん張って!」
次の瞬間・・・
にゅるん!と赤ちゃんがでて、そのあとジャーッと羊水が出たのがわかりました。
そしてオギャーッと可愛い声が・・・。
「おめでとう。男の子です。」
17:58でした。
やっと出た。ああ、やっと出た~~~~

どっと疲れが押し寄せました。
時間がかかったため、赤ちゃんの呼吸や泣き声が弱く、しばらくモニタリングすることに。
旦那さんが写真を撮ってくれていたので、その間は写真で赤ちゃんの顔を見ていました。
実際に抱っこして顔が見れたのは30分くらいしてからでした。
3108gの男の子。
浮腫んだ顔、どっちに似ているかわからなかったけど、とにかく愛おしい気持ちが溢れてきて、そのぬくもりを感じた瞬間涙が出ました。
「頑張ったね、ありがとう。」
自然にその言葉が出ました。
旦那さんからも「お疲れ、頑張ったな。」と言ってもらい、なんだか胸がいっぱいでした。
それからはもうすっかり安心してしまい、急に眠気と空腹が襲ってきました。
会陰切開部を縫合し、すべて終わったあとに改めて赤ちゃんをしっかり抱くことができました。
思ったより重くて、その重みが実感となり「ああ、産んだんだ。生まれてきてくれたんだ。」と感じました。ついさっきまでお腹の中で動いていた子が、今ここにいる。すごく不思議な気持ちでした。
人間ってすごいな。勝手にお腹の中でこんなに大きく育って産まれてくる。とても神秘的です。
出産ってこんなに大変なんだ。だからこそ、わが子は可愛いと思えるんですね。
すっかり落ち着いた頃、夕食が運ばれてきました。
「食べれそう?」
そんな助産師の心配をよそに、完食しました(笑)
なんたって丸一日以上ほとんど食べていなかったし、出産でかなり体力消耗したし、そのときの空腹といったらハンパなかったです(爆笑)
両親や旦那さんのお母さんが面会にきて、赤ちゃんを抱っこしてくれました。みんなに頑張ったねと言ってもらい、また泣きそうになりました。
その後夜21時まで分娩室で点滴をしました。トイレに歩いてみたらもうフラフラでした。めまいがすごい。もちろん車いすで病棟に戻りました。
分娩所要時間30時間2分。
私の中では本当に壮絶な30時間でした。
出産の大変さと命の尊さを実感した、貴重な時間でした。