カラフルな人たちで溢れた物語。
この小説は、かなり綿密に絡み合っている。
それはまるで様々な駅が繋がれ、
交錯するレールのように。
だからかなり長い説明なると思う。
登場人物は主人公の色彩を持たない多崎つくる。
それからアカ、アオ、シロ、クロ。
東京で出会うことになる灰田、そして彼の話に登場する緑川。
つくると性的関係も持ち交際を始めた二歳年上の沙羅。
主要人物はこれくらいだろう。
まず、この物語の主軸である「シロのレイプされたことから始まったコミュニティの崩壊とシロの死」
であるが、この原因は「悪霊」にある。
では、その悪霊は誰だろう。
断っておくと、私の見解ではそれはつくるではない。案外目のつきにくいところに、彼はいる。
まず、シロが孕んだ時、彼女は堕胎せず産もうとした。流産したわけだが、レイプとはいえ、彼女は赤子を自らの意思で殺すことを拒んだ。
シロが、つくるを犯人とし、切り捨てた理由は小説にてわかりやすく、そうするしかなかった、冷たい海を一人で泳ぎきってもらうしかなかった、ということとされている。
クロはつくるに好意を抱いていたようだし、ここからつくるは犯人ではない、少なくとも高校時代の彼らは犯人がわからないと言える。
シロは一人暮らしをしている時殺されたわけだが、鍵をきちんとしめている描写があり、強引に入ったような痕跡や殺し以外の目的はない殺人であった。このことから、シロ自身が鍵を開けて悪霊を招いてしまったことと推測される。
案外、彼女を犯し、殺すことのできる人間は限られていることに気づく。単刀直入に言うと、「悪霊」は恐らく、シロの父である。
何故なのか。振り返ってみる。シロが堕胎を拒んだ理由だが、これは父が堕胎手術を行っているのを嫌っていたから、と言える。その描写は小説に存在している。先ほどは犯人が誰かにわからないと書いていたが、シロ自身は知っていたのかもしれない。しかし、その事実を受け止めるのはあまりに苦しいことであった。だから彼女はつくるという生贄を捧ぐ他なかったのだ。
シロが鍵を自ら開けるのも、父親であれば頷ける(シロが父がレイプしたとわかっていたとはいえ、開けざるを得なかっただろう。そして、死を確信したかもしれない)。シロを殺した理由は彼女が自分のもとから逃げ去ったからであると考えられる。レイプ被害を受けたにも関わらず一人暮らしを始めたのは、父という身近な人間がいて、離れるため致し方なかったのだろう。
これらのことから悪霊はシロの父である。
彼女の家に煙草の吸殻があったことも、父がヘビースモーカーであった描写があるため、辻褄が合う。
これが、先に書いてしまうのはどうなのか、と思うところではあるが、この小説の終着駅、つまるところ、推理の成功であると考えられる。
無論、この交錯する物語の末にこの、結論を見出すのは、物語を巡りめぐること、巡礼が必要なのだ。
読者の私たちはこの交錯した物語を巡礼して、真実にたどり着く。忙しなく電車を乗り降りする旅人なのだ。
この小説は、かなり綿密に絡み合っている。
それはまるで様々な駅が繋がれ、
交錯するレールのように。
だからかなり長い説明なると思う。
登場人物は主人公の色彩を持たない多崎つくる。
それからアカ、アオ、シロ、クロ。
東京で出会うことになる灰田、そして彼の話に登場する緑川。
つくると性的関係も持ち交際を始めた二歳年上の沙羅。
主要人物はこれくらいだろう。
まず、この物語の主軸である「シロのレイプされたことから始まったコミュニティの崩壊とシロの死」
であるが、この原因は「悪霊」にある。
では、その悪霊は誰だろう。
断っておくと、私の見解ではそれはつくるではない。案外目のつきにくいところに、彼はいる。
まず、シロが孕んだ時、彼女は堕胎せず産もうとした。流産したわけだが、レイプとはいえ、彼女は赤子を自らの意思で殺すことを拒んだ。
シロが、つくるを犯人とし、切り捨てた理由は小説にてわかりやすく、そうするしかなかった、冷たい海を一人で泳ぎきってもらうしかなかった、ということとされている。
クロはつくるに好意を抱いていたようだし、ここからつくるは犯人ではない、少なくとも高校時代の彼らは犯人がわからないと言える。
シロは一人暮らしをしている時殺されたわけだが、鍵をきちんとしめている描写があり、強引に入ったような痕跡や殺し以外の目的はない殺人であった。このことから、シロ自身が鍵を開けて悪霊を招いてしまったことと推測される。
案外、彼女を犯し、殺すことのできる人間は限られていることに気づく。単刀直入に言うと、「悪霊」は恐らく、シロの父である。
何故なのか。振り返ってみる。シロが堕胎を拒んだ理由だが、これは父が堕胎手術を行っているのを嫌っていたから、と言える。その描写は小説に存在している。先ほどは犯人が誰かにわからないと書いていたが、シロ自身は知っていたのかもしれない。しかし、その事実を受け止めるのはあまりに苦しいことであった。だから彼女はつくるという生贄を捧ぐ他なかったのだ。
シロが鍵を自ら開けるのも、父親であれば頷ける(シロが父がレイプしたとわかっていたとはいえ、開けざるを得なかっただろう。そして、死を確信したかもしれない)。シロを殺した理由は彼女が自分のもとから逃げ去ったからであると考えられる。レイプ被害を受けたにも関わらず一人暮らしを始めたのは、父という身近な人間がいて、離れるため致し方なかったのだろう。
これらのことから悪霊はシロの父である。
彼女の家に煙草の吸殻があったことも、父がヘビースモーカーであった描写があるため、辻褄が合う。
これが、先に書いてしまうのはどうなのか、と思うところではあるが、この小説の終着駅、つまるところ、推理の成功であると考えられる。
無論、この交錯する物語の末にこの、結論を見出すのは、物語を巡りめぐること、巡礼が必要なのだ。
読者の私たちはこの交錯した物語を巡礼して、真実にたどり着く。忙しなく電車を乗り降りする旅人なのだ。