隣合うものの違い ~第12回「たま研」参加記 | 不況になると口紅が売れる

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昨日、8月12日は第12回たま研・夏の研究大会でした。

午前中、町田の地域電器店「でんかのヤマグチ」への潜入視察をついに果たし、足裏ローラーと高齢者とのお喋り体験(この話は改めて!!)を経て、13時ちょうどにぽっぽ町田着。

 

今回は来場者が多く、狭い会議室に机と椅子を追加しての開催です。

これも藤井くん効果か?

あるいは昨年の講義が好評だったためか(笑)?

 

第一部はソフトウエア開発者・柿木義一氏による「柿木将棋の詰将棋の機能」という講義でした。

いつもお世話になっている柿木先生を、開発者の柿木先生自身がデモする、という場面を見られただけでも貴重な絵です(写真)。

「Ctrlキー押しながら駒を駒台に移動」という便利な機能の紹介がウケてました(全然知りませんでした)。

「求解エラーは無駄合が絡んでる可能性大」

「長手数設定でも最終盤局面では短手数モードで余詰検討している」

「非限定にぶら下がる余詰が発生する場合は検索できない」…。

ムムム、な話ばかりで、これは一般の将棋ファンでは何のことかさっばりわからないでしょうね。

結論は「柿木だけに頼るな」「自分の頭で検討しろ」ということで、これは肝に銘じとかねばなりません。

 

第二部はご存知「詰将棋おもちゃ箱」の加藤徹氏による講義・「詰将棋創作での柿木将棋の活用」。

最近はeurekaの名前で「コンピーターによる創作」作品を発表されているので、注目の話題でした。

詰将棋創作は①「企画構想」、②「図化」、③「検討」、④「推敲・選定」のプロセスで進みますが、そのうち、③はもはや柿木将棋がないと無理な状況です。

しかし加藤さんは②の図化プロセスにソフトを持ち込み、全検サーチ・持ち駒サーチ・置き駒サーチ・駒位置サーチなどの手法で、「詰将棋になりそうな局面」を抽出するという創作法に取り組んでいます。

ただし現時点でのソフトによる詰将棋創作は、レベル1程度とのこと。

今回のコンピュータ創作の舞台裏講義、聞いて安心した人と、かなり危機感を感じた人がいたみたいですが、いずれ詰将棋作家がAIに上手く個性を与えていくことにより、創作図化段階で使用されていくのは間違いないことかと思います。(そこで発見された図を発表するかどうかは別として)

 

課題作「複数合駒」は11作。

参加者アンケートでは、このうちから上位3作を選んでコメントを書けというのですが…全部レベル高すぎて投了でした(笑)。

これはもう、全作「詰パラ」に掲載してもいいんじゃないかと。

この日は事情あって残念ながら二次会は欠席しましたので結果はわかりませんが、どの作が選ばれたのか楽しみです。

 

 

さて、詰将棋マニアについてはこれまでも色々言われきましたが、最近気づいたことを少し。

 

詰将棋クラスターのTwitterからは、数学、哲学、歴史、音楽、映画、プログラミング…といった話題がポンポン出てきます。

一方、指し将棋系の人たちの話題はというと(自分の学生時代の周囲やプロ棋士などでもそうなのですが)、競馬、麻雀、パチンコ、ゲーム、酒…といった印象があります。

もちろん相当の偏見が入っていますし、酒と競馬の大好きな詰将棋作家がいるのも知っています。

ここではどっちが良いか悪いかを議論しようというのではなく、両者の間に「隣合うものの違い」を感じる、ということです。

同じ40枚の駒を使って頭脳ゲームをしているようだけど、だいぶ違う人種といえるのかも知れません。

研究者と勝負師、と言ってしまうと身もふたもないですけど…。

 

だから、これからお子様に将棋をさせようとしているお母さんたち。

ぜひ、「詰将棋」に興味を持つように仕向けたほうがいいと思いますよ。

もっとも「理屈っぽい」「他者に同調しない」「斜に構える」のは前者の人たちなんでしょうけど(笑)。