以前、夕方から閉店までの時間、スーパーでバイトした経験がある。
もちろんレジ担当ではなく、品出しと夜間の店舗管理だ。
スーパー自体、利益率の高い業態ではないが、そこは地元に8店舗しか展開していない食品スーパーであり、EIONなどの大手と比して経営が厳しいのは明らかで、老朽化した店舗を改修できずにいた。
地域の住人がスーパーに求めるのは、品ぞろえより価格の安さであり、そんな住民の数自体、減少しているのだ。
ただ、勤務し出して数か月過ぎた頃、あることに気づいた。毎日、ほぼ同じ時間に来店する客がいて、みんな店員たちと親しげに話をし、買い物をしていくのだ。(自分も4~5人の客と親しくなった)
店舗に投資しなくても、店員の心が変わりさえすれば、売上が上がるのではないか…?
売上の法則にパレートの法則というものがある。売上の8割は2割の顧客からもたらされており、これがいわゆるお得意さんであり、この法則はどんな業種でも当てはまるという。
つまり、お店のファンを増やせば、売上の安定的な基盤を作れるということだ。
そのためにホテル業界でいう接遇を取り入れたらどうか? 接客ではなく、おもとなしの心をもった接遇。それについては、リッツカールトンの支配人を務めた林田正光の著書「サービスの手帳」に詳しい。
すべては顧客のことが好きになることから始まる。もちろん話術などの技術もあるだろうが、好きにならなければいい接遇はできない。その気持ちが顧客に伝わり、店員にもやりがいとなって戻ってくる。もちろん、容易なことではないが…。
自宅の桜も咲きました。年々歳々花相似たり
