気づかないことに、気づけるか? | 産廃診断書専門の中小企業診断士

産廃診断書専門の中小企業診断士

ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。

比較的新しいマーケティング用語に「インサイト」というものがあります。HONDAの車名にもなったこの言葉を直訳すれば「」洞察力」、「物事を見抜く力」となりますが、マーケティング的には本人も気づいていない欲求を指します。

 

このインサイトに着目した成功例として知られるのが、パナソニックが2010年に発売した携帯用電動歯ブラシの「ポケットドルチェ」。当時、電動歯ブラシは数多く発売されていましたが、ヒットの理由は、次のような若い女性のインサイトに着目したからです。

 

「オフィスでランチ後に歯磨きや化粧直しをしているが、今の電動歯ブラシはおじさん臭くて使うのがはずかしい」

 

そこでパナソニックの開発チームはそれまで競ってきた振動数などのスペックから脱却し、マスカラのようなデザイン、化粧ポーチに入る大きさなど、女性心理に立って化粧品のような見え方を追求したのです。

 

インサイトに気づくためには、まず、ターゲットを絞る必要があります。従来商品に不満を抱いているのは、どんな人たちなんだろう? 

 

もう一つ「フレーバーウォーター」の例を挙げておきます。ミネラルウォーターに甘みのある味をくわえたこの商品を支持したのは、これまでミネラルウォーターを飲まなかった層でした。あなたはこのインサイトに気づきました?


写真はパナソニックのHPから