マーケティングという生きものの俯瞰図 | 産廃診断書専門の中小企業診断士

産廃診断書専門の中小企業診断士

ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。

今日、牧之原商工会に請われて同市内にある企業を訪れた。商品開発の相談だった。商品化しようとしているのはフレーバーティー。

 

話しの中でわかったのは、この会社は誰もが知っているストアブランドの商品をOEM生産していたのだ。今回が初めての自社のオリジナル商品の開発だという。前に座ったのは社長と事業開発部長と今回の商品化を任された若い女性の3名。

 

まず、聞かれたのはマーケティングリサーチのやり方。驚いたのは皆さんが知りたかったのはマーケティング全般について。目を落としたみなさんのノートにはSWOT分析だの、ポジショニングの軸の設定だの、コンセプト作りのためのキーワードだの、いろんなメモがびっしり書かれていた。みんなで本を読んだりセミナーに出たりして勉強したのだという。

 

普段の経営相談の中で、問われるのは単純に売上を伸ばす方法。今回のようにその全体を俯瞰しての相談は初めてなので、驚きながらもマーケティングのステップを全て説明した。それは自分を振り返る上で新鮮な驚きだった。

 

マーケティングリサーチについては、ターゲットが明確になってから、比較的費用のかからないネットのリサーチ会社を活用してアンケート調査(定量調査)を行うのが現実的だ。そして試作品ができた段階でフォーカスグループインタビュー(定性調査)でターゲットの本音を折り下げるのがいいと思った。

 

もちろん、大手企業を例をひもとくまでもなく、市場調査を行ったところで答えが出るわけではないのだが、知りたい、学びたいという姿勢が大切なのだ。

 

マーケットサイズや、成長性、収益性については、ほぼ1次(既存)データで収集できるから、今回は定量調査だけやることをおすすめした。もちろんその前に、ターゲットとコンセプトの明確化を図らねばならないが・・・。

 

話の中で、とてもユニークなターゲットが明確になった。こんなターゲットは初めてだったのでそれだけで商品の個性化が担保された。ただ渡された企画書はボリュームが多すぎるので、そこから100150文字にコンセプトを絞り込むこと。それができれば商品の魅力がとたんに伝わるようになる、バイヤーしかり、メディアの記者しかり、消費者に対してしかり・・・。

 

市場調査→ターゲット設定→コンセプト→ネーミング→ブランドデザイン→商品化→販路開拓→プロモーション。そしてペネトレーションとフリークエンシーという2つの軸。コンセプトにはペネトレーション(商品の浸透)ばかりでなくフリークエンシー(再購入)意識したものでなければならない。でなければ商品はすぐに失速する。

 

たった2時間足らずであったが、今後のマーケティングの輪郭がはっきりしたことを、みんなが感じた。そして、マーケティングという生きものの節々が久しぶりに俯瞰できたんだな、これがっ!