9日の金曜日の朝日新聞の夕刊に井原西鶴の記事が載っていた。実際に起きた事件を下敷きにた井原西鶴の好色五人女。その第四巻、八百屋のお七の悲恋の舞台となった東京は本駒込、吉祥寺。
火事を逃れた寺で、お七は吉三郎と出会い恋に落ちる。再び火事が起きれば再会できると火付けをするが、捕えられて火あぶりにされる。
少し前に、ドフトエススキーの作品を現代語訳にしたシリーズが光文社から発売されたが、作品を時代に合わせること自体、余り興味が持てない。小説はその時代の空気の反映なんだから、当時の言葉こそ、やっぱり生身なんだろう。時代とともに言葉は変わっても、この井原西鶴の浮世草子のように人間の情念はずっと変わらないように思えるから。


