こんにちは、元ギャンブル&アルコール依存症者のガネーシャです。
前回より続きます。
借金を返済したものの、私は酒に溺れ、家にも帰らず、連絡を取ることさえ避ける日々が続きました。夫婦の関係はすっかり冷え切り、このままではいけないと思いながらも、なかなか抜け出せずにいたのです。そんな中、夏休みを別々に過ごすことに決め、私は一人でインドへの旅に出ることにしました。
片道10時間以上のフライト。行きの飛行機では、赤ワインを何杯もおかわりし、インドの空港に着くと早速バーでビールを飲む始末でした。そして、日本に戻った直後も、成田空港から上野駅近くの居酒屋へ直行。自分が変わりたいと思っていたのに、酒に頼る習慣から抜け出せない自分がそこにいました。
インドへの旅をきっかけに、私は再びインド哲学に触れる機会を得ました。その中で、あるインド神話に出会いました。この神話は、私の人生に大きな影響を与えることになります。
インド哲学は、菜食をすすめる教えを持っていますが、神話の中では、神聖な一族が祭りの際に規則を破り、肉を食べ、酒を飲み、酩酊した結果、争いが起こり、最終的には殺し合いに発展し、一族が滅亡してしまうという悲劇が描かれていました。
この物語は、インド哲学の根底にある「食べ物が身体にも思考にも影響を与える」という考え方を象徴しています。欲望をコントロールし、心を清らかに保つためには、食べ物の選択がいかに重要であるかを教えてくれるものでした。
この神話に触れた私は、自分の生活を見直すきっかけを得ました。食べるものが自分の心や行動に影響を与えるという考えは、私の心に深く響きました。そして、私は肉食をやめ、ベジタリアンになることを決意したのです。
この決断は、単に食生活を変えるだけでなく、私自身の内面にも大きな変化をもたらしました。
私の突然の変化に、妻はあきれ、激怒しました。それ以来、家族で一緒に食事をすることはなくなり、家庭生活はますます冷え切っていきました。それでも、ベジタリアンになったことで一つの良いことがありました。それは、一人で酒を飲みに行くことがなくなったことです。