僕の半分くらいの年齢のあなたへ

何かの参考になればと思いつづります。

 

「薬物依存を越えて 回復と再生へのプログラム」

近藤 恒夫

 

ラーメンをすすりながら、

私は自分の半生を振り返っていた。

 

AAに通いながら、

どんな仕事をしたらいいのか、

どういう人生を歩んだらいいのかについて悩んだ。

生活だけを考えれば、

二十、三十代で経験している

喫茶店経営などの水商売に戻るのが一番楽だった。

月約三十万円はすぐ稼げると思った。

しかし、元の仕事に戻ったら、

またシャブに手を出してしまうのではないかと

不安だった。

 

だから、以前とは違う仕事をしようと思ったが、

いい仕事がなかなか見つからなかった。

将来の見通しはまったくなかったにもかかわらず、

私は生活保護の世話になるのが嫌だった。

いつ支給がストップするかわからない不安もあった。

だから支給を受けて半年後には、虚勢を張って

「もう生活保護はいりません」と申し出た。

 

ところが、札幌市豊平区のケースワーカーは、

「せっかく6カ月間、AAを続けられたのだし、

あまり焦らずにもう6カ月ほど生活保護を受けて

AAを続けてみたらどうですか」

とアドバイスしてくれた。

どういうわけか、

私はケースワーカーのアドバイスに素直に従った。

 

いま振り返ってみると、もし、あの半年で

生活保護を打ち切られていたら、

私は水商売に戻っていたと思う。

当時はそれしかできなかったからだ。

そしてすぐスリップして、

再びシャブに溺れてしまっていたであろう。

 

 

 

 

僕ら依存症者にとっては

今日一日

依存対象から離れていることが

人生の最優先事項だボクシング

 

 

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