何もしないことは、悪いことじゃない。

 

やる気が出ないときは、思い切って、ぼんやりしよう。

 

なぜならば、あなたの心の中で、無意識が創造的な働きをしているかもしれないから。

 

 

 

河合隼雄先生によると私たちがもつエネルギーには、

 

物理的なエネルギーである「身体的エネルギー」と、

 

心理的なエネルギーである「心的エネルギー」がある。

 

 

【心的エネルギーとは】

 

・心的エネルギーは心の中をたえず流動している。

 

・自我(外界と接する自意識)は心の内部にある心的エネルギーを適当に消費し、それは睡眠中や休息中に補給される。

 

・心的エネルギーが無意識から意識へ向かうときを「進行」と呼ぶ。

 

・心的エネルギーが意識から無意識へ向かう時を「退行」と呼ぶ。

 

・心的エネルギーの進行と退行は一日のうちに繰り返されている。

 

・心的エネルギーの退行によって、神経症的な症状が生じると考えられている。

 

 

 

心的エネルギーが自我(外界と接する自意識)のほうに流れなくなると(退行)、

 

疲れやすさや仕事に対する興味の減退が起こる。

 

しかし、退行現象は常に病的なものとは限らず、

 

創造的な側面をもつ。

 

 

 

新しい発見や発明が行われるときに、退行現象が生じることが知られている。

 

芸術家は作品を生み出すためには、外見的にはまったく非建設的と見える行動に身をまかせている期間をどうしても必要とする。

 

これは「創造的退行」とよばれる。

 

 

 

【退行状態の外見】

 

・ただぼんやりとしているだけであったり、幼児的なばかげた行動をする。

 

・ぶらぶらとしたり、いらいらした気分に襲われる。

 

 

【退行状態の内面で行われていること】

 

・無意識内において仕事が行われている。

 

・自我のはたらきと無意識のはたらきを統合している。

 

・心的エネルギーが進行を開始すると、自我は新たなエネルギーを得て活動することになる。

 

 

 

元気がでないとき、やる気が出ないとき、無理するのはやめてみよう。

 

何もしないでぼんやりしてみよう。