私は、パチンコ・パチスロ依存症をはじめとした、依存症の治療・回復のヒントを日々集めています。
しかし、逆説的ですけど、この病気には誰にでも効くという特効薬は無いとも思っています。
臨床心理学者の故・河合隼雄先生は、西洋医学と東洋医学の違いについて、次のように語っています。
「西洋医学は身体をまったく客観的に対象化して研究している。
東洋医学は身体を自分のものとして研究していますね。
だから、入り口がぜんぜん違う。
われわれ心を扱うほうでも似たことが起きていると思います。
フロイトとかユングは、他人の心ではなく、自分の心として探求したのです。
ユングやフロイトは、自分のことを研究して、それをある程度の普遍性、客観性をもつところまで言語化したのです。
しかしそれは、近代医学の持っている客観性とは違います。
私はそれを『私の心理学』と呼んでいます。」
パチンコ・パチスロ依存症の治療・回復についても、同じことがいえるような気がします。
この病気には、「西洋医学」の考えのように誰にでも効く同じ治療法というものはなくて、「東洋医学」のように個人個人が自分にとっての回復の道を探していくことなんだろうな、と思います。
ですから、誰かが成功した治療法・回復法は、ヒントにはなるかもしれませんが、同じ方法で全ての人が回復することはあり得ないということですよね。
うーん、難しいですね。
河合先生は精神分析について、
「自分が自分のことを知る、自分が自分のことを研究する」
とおっしゃっています。
プラスに考えれば、私たち依存症者は、非常に個人的な内面へ向き合う貴重な機会を得ているのかもしれませんね。
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