昔は絵を描くのが好きだった。特に好きだったのは家の絵を描くこと。
いろんな機能を持たせた家で楽し気に暮らす家族を描くのが好きだった。
でもある時好きじゃなくなった。そのきっかけは今でも明確に覚えている。
従妹の女の子に馬鹿にされたからだ。
「へたくそ」
別にうまく書くつもりなんてなかった。
僕が好きだったのは家に機能を付加することで、その外観をきれいにデザインすることじゃない。
そもそも僕は家の断面図、見取り図を描くいていた。家の機能を表現するにはそれが一番適していたから。
ちなみにその女の子が書いていた家は三角お屋根の『THE家』みたいな絵を描いてた。
僕に言わせれば、「で、それ面白いの?」だったが、周囲の大人が評価するのはそっちだった。
かくして僕は絵を描くことが好きだはなくなった。
それでもまだ時々絵を描いていた。
中学くらいまでは机に向かって絵を描いていたと思う。
小学校のころは遊戯王が大流行して、そのキャラクターの絵を描いていた。
特によく書いていたのはブルーアイズ。滅びのバーストストリーム。
あとはNARUTO。とくに、はたけカカシ。写輪眼。
「へたくそ」
そういわれる前までは、うまいかどうか、模写する対象とどのくらい近いかなんて考えてもいなかったが、
そういわれたあとは考えるようになった。人と比べるようになった。
比べるようになると、うまくはなったが楽しくはなくなった。
写しているだけの絵なんて面白くない。あたりまえだけど。
かくして僕は絵が嫌いになった。
絵がただの作業になってしまったから。
