あなたの心にご用心、再開します。
 さて、ALO講習会でも、エビデンスの話が出ました。
 今書いている、日本口腔腫瘍学会のエナメル上皮腫の診療ガイドラインでも、エビデンスベースの構造化抄録を作り、第三者のチェックが入ります。

 で、エビデンスって何?
 どうしてそうなったの?

 そこに、沢山の落とし穴があります。

 よく、マーケティングの世界で取り上げられる動物実験の例をあげてみます。

 檻に入った5匹の猿と、天井に下げられたバナナと、そこに繋がるハシゴです。
山田隆文の歯医者さん日記

 5匹の猿が居ました。
$山田隆文の歯医者さん日記

 一匹が、バナナとハシゴに気がついて登ります。
$山田隆文の歯医者さん日記

 と、残った猿には水がかけられるという実験をします。
$山田隆文の歯医者さん日記

 同じ事を何度も繰り返していると、ハシゴに登る猿が居ると、他の4匹の猿が、その猿を止めようとします。
 だって、毎回水をかけられるのはたまらないからです。
$山田隆文の歯医者さん日記

 やがて、他の猿が登ろうとしても、水をかけなくても、止めるようになります。
$山田隆文の歯医者さん日記

 そして、だれも、バナナにもハシゴにも興味を示さなくなりました。
$山田隆文の歯医者さん日記

 そこで、5匹のうちの1匹を出して、別の新しい猿を入れます。
 この猿は何も知りません。
 なので、大好物のバナナを取りに行きます。
 と、ほかの猿に引き留められました。
 もう1匹、新しい猿と入れ替えます。
 と、始めに入れ替えられた猿も、この新しい猿を引き留めます。
 もう1匹、もう1匹と替えていきます。
 そして、すべての猿が入れ替えられました。
 でも、だれも、バナナを取りに行きません。
山田隆文の歯医者さん日記

 そこで、訊いてみました。
「どうして、バナナを取りに行かないんだい?」
「昔から、そういう決まりになっているんだよ」
「だれが、その決まりを決めたんだい?」
 ????
 だれも答えられません。
 だって、だれも理由を知らないんですから……(笑)。

 これが、間違った常識の例ですね。

 でも、身の回りににたくさんあると思いませんか?



 いろいろなところで引用されていますので、いくつか書いておきます。

 http://youpouch.com/2012/07/18/73733/
 http://blogs.bizmakoto.jp/noubiz/entry/5780.html
 http://uujiron.net/archives/309


 さあ、みなさんがハシゴに登ろうとするお猿さんなら、どうするでしょうか?

 えっ?
 長いものには巻かれてしまうんですか?

 私なら、何があっても、バナナを独り占めさせていただきます(笑)!


 でも、考えてみてくださいね!
 ここからが大事です。

 さあ、新人さんが、話題の半沢直樹さんみたいだったらどうなるんでしょうね?

 始めに、水をかけたのは、どんなオーソリティでしょうか?
 その人の意図に惑わされていませんか?

 なので、エビデンス。
 いま、あなたが何気なくしている行動。
 本当に、あなたの意志でしょうか?
 それとも(大爆笑)?

 もちろん、それを選択するのはあなたの自由意志ですよ。