さて、歯医者さん。
むし歯や、色の悪くなった歯や、古いアマルガム(銀の詰め物)などを診ると、治療したくなるのが人情です。
ホワイトニングも勧めたくなります。
入れ歯を診るとインプラントだって勧めたくなります。
だって、完璧な治療を習ってきたんですから……。
でも、現場はそうはいきません。
だれもが自由診療を出来るとは限りません。
生活保護の人に、金を入れましょう!
老い先短いお年寄りに、インプラントを入れましょう!
なんてのが、一般的な常識から外れているのは、言わずもがなですね。
私の専門は口腔外科。
親知らずの抜歯から、癌まで扱います。
これは、知り合いの先生が訳された本です。
http://www.amazon.co.jp/死に向かって生きる―末期癌患者のケア・プログラム-Cicely-Saunders/dp/4260135902/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371994414&sr=8-1&keywords=死に向かって生きる
「死に向かって生きる―末期癌患者のケア・プログラム 」
Cicely Saunders・Mary Baines・武田 文和 訳
(残念ながら新刊はもうないようです)
だって、癌です。
むし歯は治療すれば治ります。
でも、癌は、必ずしもの治るとは限りません。
こんな、痛みの怪獣が襲ってきます。
これは、この本の扉の裏にあります。
沢山の方を、軽快退院して見送りました。
定期検診で、元気な顔を見せてくれると、凄く嬉しいです。
一方で、沢山の方を、別の意味で見送りました。
まさに、「死に向かって生きる」です。
残された時間を、どのようにクオリティオブライフを維持できるのか。
白血病の方の歯の治療もします。
もう治らないとわかっている患者さんの、顎補綴(手術で顎を取った跡にいれる特殊な入れ歯)もします。
さて、今度は、むし歯やインプラントのようにはいきません。
癌の患者さんに説得をするのでしょうか?
ことは、命に関わります。
患者さんの気持ちの整理が付いて、納得するまで待つしかありません。
エリザベス・キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』は、今でも、医師国家試験で出題されます。
「あなたは、癌です」と告げられます。
・否認
・怒り
・取引
・抑うつ
・受容
この、慟哭に私たちはお付き合いをしなければなりません。
治療を拒否される方もいます。
最後まで挑戦を辞めない人もいます。
では、どのようにサポートをすればいいのか。
難しいスタンスです。
同情ではなく共感で。
そして、冷静な判断力を残しながら、寄り添っていきます。
これは、修羅場をくぐったものにしかたどり着けない場所でもあります。
教科書を読んだ。
どこかの講演会で聴いた。
そんなものはまったく役には立ちません。
なんども、なんども、そんな患者さん達とぶつかり合って、同情と共感の境界線を探していきます。
難しいことに、その境界線は、私たちの立ち位置によってみんな違いします。
もちろん、患者さんによっても違います。
別の文献ではこんなものもあります。
・ショック
・否認
・悲しみと怒り
・適応
・再起
わたしたちは、その最後のステップを目指して行かなくてはならないのです。
えっ、命に関わることだから?
そんなことはありません。
むし歯だって。
入れ歯だって。
子育てだってそうです。
教育だってそうです。
説得と納得。
なかなか、難しいですね。
むし歯や、色の悪くなった歯や、古いアマルガム(銀の詰め物)などを診ると、治療したくなるのが人情です。
ホワイトニングも勧めたくなります。
入れ歯を診るとインプラントだって勧めたくなります。
だって、完璧な治療を習ってきたんですから……。
でも、現場はそうはいきません。
だれもが自由診療を出来るとは限りません。
生活保護の人に、金を入れましょう!
老い先短いお年寄りに、インプラントを入れましょう!
なんてのが、一般的な常識から外れているのは、言わずもがなですね。
私の専門は口腔外科。
親知らずの抜歯から、癌まで扱います。
これは、知り合いの先生が訳された本です。
http://www.amazon.co.jp/死に向かって生きる―末期癌患者のケア・プログラム-Cicely-Saunders/dp/4260135902/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371994414&sr=8-1&keywords=死に向かって生きる
「死に向かって生きる―末期癌患者のケア・プログラム 」
Cicely Saunders・Mary Baines・武田 文和 訳
(残念ながら新刊はもうないようです)
だって、癌です。
むし歯は治療すれば治ります。
でも、癌は、必ずしもの治るとは限りません。
こんな、痛みの怪獣が襲ってきます。
これは、この本の扉の裏にあります。
沢山の方を、軽快退院して見送りました。
定期検診で、元気な顔を見せてくれると、凄く嬉しいです。
一方で、沢山の方を、別の意味で見送りました。
まさに、「死に向かって生きる」です。
残された時間を、どのようにクオリティオブライフを維持できるのか。
白血病の方の歯の治療もします。
もう治らないとわかっている患者さんの、顎補綴(手術で顎を取った跡にいれる特殊な入れ歯)もします。
さて、今度は、むし歯やインプラントのようにはいきません。
癌の患者さんに説得をするのでしょうか?
ことは、命に関わります。
患者さんの気持ちの整理が付いて、納得するまで待つしかありません。
エリザベス・キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』は、今でも、医師国家試験で出題されます。
「あなたは、癌です」と告げられます。
・否認
・怒り
・取引
・抑うつ
・受容
この、慟哭に私たちはお付き合いをしなければなりません。
治療を拒否される方もいます。
最後まで挑戦を辞めない人もいます。
では、どのようにサポートをすればいいのか。
難しいスタンスです。
同情ではなく共感で。
そして、冷静な判断力を残しながら、寄り添っていきます。
これは、修羅場をくぐったものにしかたどり着けない場所でもあります。
教科書を読んだ。
どこかの講演会で聴いた。
そんなものはまったく役には立ちません。
なんども、なんども、そんな患者さん達とぶつかり合って、同情と共感の境界線を探していきます。
難しいことに、その境界線は、私たちの立ち位置によってみんな違いします。
もちろん、患者さんによっても違います。
別の文献ではこんなものもあります。
・ショック
・否認
・悲しみと怒り
・適応
・再起
わたしたちは、その最後のステップを目指して行かなくてはならないのです。
えっ、命に関わることだから?
そんなことはありません。
むし歯だって。
入れ歯だって。
子育てだってそうです。
教育だってそうです。
説得と納得。
なかなか、難しいですね。