さきほどの、練授業中に寝るという問題から。

 さて、私だって、学会などでつまらない講演を聴いていれば寝る。
 というか、そういった講演では、みんなこっくりこっくり、いびきも聞こえて、屍累々となる(笑)。

 もちろん、いくつか問題がある。
 学会だから、前の晩に懇親会飲み過ぎたというのもありだが……(省)。

 ひとつには、関心がない。
 これは、大きな問題である。
 だれだって、興味のない話を聴いているのは苦痛である。
 と、意識は逸れる。
 メールの確認をしたり、本を読んだり、別のことを考えている。
 でも、やることがなくなれば、寝る。

 もうひとつは、プレゼンがへたくそである。
 ある、同僚の教員である。
 一枚のスライドで、軽く30分はしゃべる。
 別の教員である。
 スライドだけの講義。
 「写しなさい」なんていう。
 でも、字は小さくて見えない。
 バックの色と字のコントラストも悪く、見にくい。
 でもって、写し終わらないうちに、次のスライドにいってしまう。
 これは、無理である。
 なので、学生はあきらめる。
 まあ、寝てしまうのも無理はない。

 やる気があってもそうである。

 もし、モチベーションがなければ……。
 まあ、寝る。
 当たり前である。

 よく、FDなどでこんな話をする。
 自動車教習所だ。
 まず、寝ない。
 単位を積み重ねていく、ポートフォリオ方式だ。
 しかも、自分で取りたい講義を選択して、穴を埋めていく。
 モチベーションも高い。
 だから、機能するのである。

 でも、数ヶ月。
 だから持つ。
 短大では2年または3年である。
 ゴールはずっと先。
 3年生になって、国家試験を目前として、漸く気づく。
 すでに遅い。
 もちろん、講義では、1年生の時から積み重ねが大事なんて、口を酸っぱくして言っている。
 でも、むだである。
 理解ではなくて、記憶に頼る勉強法を、中学、高校とやってきた。
 論理的な思考はすっとばす。
 じずらだけで、韻を踏んで、なんだか呪文のように覚えようとする。
 いいくにつくろう鎌倉幕府。
 ふじさんろくおーむなく。
 ……。
 でも、意味はわかっていない。

 右足を出して、左足を出して、歩くんだよ。
 当たり前体操のようであるが、当たり前である。
 赤ちゃんにそんな教え方はしない。
 やってみて、トライアンドエラーで体で覚える。
 こちらの覚えるは理解する。
 だから、自転車の乗り方も、逆上がりも、スキーもしばらくたっても忘れない。
 当たり前のことである。

 さてさて、どうやって、教育したものか……(泣)。