今日、NHKで「大型時代劇 火怨・北の英雄アテルイ伝」が放映されていた。
 これまでの日本の歴史は、大和朝廷を中心に描かれることが多かった。
 古事記や日本書紀が、そうだからである。
 でも、この物語の主人公は東北である。
 時は、桓武天皇の時代。
 当時、この地は蝦夷(えみし)と呼ばれていた。
 日本書紀の、東征である。
 北の蝦夷と、南の熊襲(クマソ)を制圧することで、大和朝廷が成立した。
 だから、蝦夷や熊襲や土蜘蛛は悪役として描かれることが多かった。
 この物語の主人公は、蝦夷アテルイ(大沢たかお)。
 東征の有名な坂上田村麻呂(高嶋政宏)も登場。
 実は、坂上田村麻呂ゆかりのお寺が田舎にある。
 清水寺という。
 京都の清水寺(きよみずでら)を模して、長い階段の上に高楼がある。
 坂上田村麻呂が、東征の時に亡くなった兵士を弔ったと言うことになっている。
 だから、こどもの時には、良いやつだと思っていた。
 でも、このドラマで印象が変わる。
 高嶋政宏扮する坂上田村麻呂が憎々しいのだ。
 それ以上に、近藤正臣の桓武天皇がアクがある。
 日本人の習性として、弱いものの味方をしてしまうと言うことがある。
 だからなのか?
 でも、立場を変えれば正義も変わる。
 そんな意味で、面白く観ていた。

 さて、人と人。
 何かを伝えたい。
 でも、相手の立場を考えないと、正しいことも、別の意味で取られてしまうかもしれない。
 なかなか、難しいものだなと思った。