では、どうすればいいのでしょうか?

 伝えることの目的です。

「教育」といいます。
 教育とは、教えることが目的ではありません。
 教育の教は、あくまでも形容詞です。
 目的は、育。
 つまり、育むことです。
 相手の知らないことを教えることで、相手の成長を促すことですね。

山田隆文の歯医者さん日記

 だから、自分の知ってることは何でも教えます。
 だって、次の世代が成長していくのを見るのは楽しいんです。

 子供の成長を喜ばない親が居ますか?

 教育だって、部下を育てることだって、みんな同じです。

 何度も書いてきました。
 ほんの何十年で、わたしたちの社会はどれくらい進歩したでしょうか?
 黒い電話は、お弁当箱のようなアナログ携帯電話になり、ポケットサイズになり、デジタル化され、今では、みんなスマートフォンです。
 ビルほどもあった真空管のコンピューターは、今や、持ち歩きサイズのタブレットです。

 次の世代は、必ず成長するんです。
 わたしたちが、何十年もかかって学んだことは、次の世代は、もっと少ない時間で学ぶことが出来ます。
 それを、止めることは出来ません。
 それとも、あなたは、それに抵抗しますか?

山田隆文の歯医者さん日記

 さあ、究極のテクニックです。
 それは、凧あげです。

 ここからが味噌になります。

 良い風が吹いているときには、どんどん糸を伸ばします。
 どんどん、高く上がっていきます。
 でも、風が舞っています。
 風が弱くなりました。
 あなたは、ちょっと糸を引き締めます。

 あなたが、伝えるときも同じですね。
 後輩が、スポンジの様に、知識や経験をどんどん吸収して成長している時期もあります。
 守破離の守の時期です。
 でも、破に来ました。
 これまで学んできたことが、通用しない事態に陥りました。
 あなたは、もう、通り過ぎてきた道です。
「こうすればいいよ」
「そっちは、あぶないよ」
 と言えば、簡単です。
 その方が、あなたにとっては楽です。
 でも、それでは、後輩は成長しません。
 危ないときには、誰かが助けてくれる。
 そんなことを学んでしまったら、怠けてしまいます。
 自分の力で解決策を見つけなければ、次のステップには進めません。
 だから、あなたは、はらはらしながらも(それとも、笑いながら)、後輩が躓いて、転んで、自分で立ち上がって、砂を払って、再び自分の足で歩き始めるのを、じっと、見ていなくてはなりません。
 やがて、離の時代が訪れます。
 後輩が、独り立ちしていくのを見守ります。
 でも、それって、うれしいことですよね。
 それが、エリクソンのアイデンティティの階段のステップ6と、ステップ7の極意なんです。

山田隆文の歯医者さん日記

 これで、まん丸。
 すべて、丸く収まります。

 明日は、歯科衛生士の国家試験です。
 3年前に入学したときには、「大丈夫か……」と思った学生さんたちも、みんな成長していきました。
 なんとか、進級して、卒業試験も受かって、国家試験まで辿り着きました。
 来週には、卒業式です。
 万感の思いで送り出します。
 そして、次の世代が育ってきます。
 その成長を見るのが、楽しいんですね!
 まあ、卒業してからも手のかかるやからが多いんですが(大爆笑!)……。

 さあ、それでは、凧あげのテクニックについて、学んでいきましょう。