山田隆文の歯医者さん日記

 これは、昔、パソコンで描いたイラストです。
 「帰還」
 そんなタイトルを付けたように憶えています。

 さあ、2012年の大晦日もどんづまりです。

 昔、紹介をした、ポール・ギャリコさんの「雪のひとひら」という作品を憶えているでしょうか?

 天から舞い落ちる雪のひとひらが、出会い、別れ、喜怒哀楽を経験して、一つの滴から小川へ、大河へ、そして、海から再び水蒸気となって空に帰っていく。
 ただ、それだけの物語です。
 でも、最後の一言が、心に残っています。
 雪のひとひらが登っていく時、声がします。
「おかえり」

 素晴らしい小説です。
 でも、なかなか、理解ができる人がいません。
 新潟の研究室に学生用に置いてありますが、まだ、この物語の本当に意味に気がついたのは、ほんの数人です。
 多くの学生さんには、背表紙を観ても、何も響きません。
 多くの人には、「僕を読んでよ!」という、本の声が聞こえません。

 さあ、年に一回くらいは、あなたのアーキタイプの心の声に、素直に耳を傾けてみようではありませんか。
 「やっと、きがついてくれたんだね」
 あなたの元型は喜びます。
 「いつも、話しかけてきたのに、なかなか、きがついてくれなかったね」
 あなたの素直な心は、ずっとあなたを見守っています。
 アイデンティティの階段なんて、あとの心理学者が勝手に名前を付けたものです。
 欲求の分類なんて、どうでも良いんです。
 きっと、あなたの進み道を教えてくれるはずです。

 前に紹介した、いんやく りお君の「自分を選んで生まれてきたよ」。
 彼が生まれてくる手伝いをした池川クリニックの池川明先生の書いた本があります。
「おぼえているよ
 ママのおなかにいたときのこと」

 もう、解説を何も書く必要ははありませんね。

 私たちは、楽しいから生まれてきたんです。
 わくわくしたいんです。
 楽しいことも、哀しいことも、すべての経験が、私たちの糧になるんです。
 でも、いつの間にか、成長するうちに、他に考えなくてはならなくてはならないことが、たくさん出てきました。
 勉強して、資格とって、就活して、働いて、結婚して、子育てして……。
 あれ、気がついたら、もう定年!!!!!!
 やべえじゃん!
 もう、時間がない。

 さあ、私たちは、何を基準に人生を歩んできていますか?
 誰かの視線。
 誰かの評価?

 あなたの行動基準は何ですか?
 恐れ?

 違いますよね!
 私たちが歩むのは、私たち自身の人生です。
 今、この瞬間、この場所で。
 そして、わくわくしたいんです!

 さあ、大晦日の今日。
 一度、素直な自分の心に還ってみませんか。