さあ、本当の自分を探しに行きましょう。

 まずは、こんな例えから始めていきます。

 自動販売機です。
 コインを入れると、品物が出てきます。
 何を買うか、あなたは決めることができます。
 あなたの、自由な選択ですね。

 さあ、パソコンです。
 ソフトを立ち上げて、ボタンを押します。
 あなたの、望んだ結果が出てきます。
 あなたの、自由な選択ですね。

 では、あなたの心です。
山田隆文の歯医者さん日記

 ある事象がインプットされました。
 その中立な事象は、あなたの心のコンピューターで処理をされます。
 そして、なんらかのアウトプットがされます。
 それは、言葉かもしれません。
 それは、行動かもしれません。
 あるいは、それは、様々な感情かもしれません。

 もし、あなたが、あなた自身を生きているとしたら、あなたが想像したアウトプットが出てきます。
 だって、あなたの心ですから。

 えっ、そうじゃないって?
山田隆文の歯医者さん日記

 あなたの心に何かをインプットすると、なんだか、よくわかんないものが出てくるって?

 それって、あなたの心のコンピューターの暴走です(笑)。

 パソコンなら再起動したり、ノートンなんかの修復ソフトを入れれば良いんですけど……。
 残念ながら、私たちの心のコンピューターを再起動することはできませんね。
 パソコンなら、最後の手段で、再フォーマットをして、システムを再インストールすれば良いんですけど……。
 残念ながら、私たち自身を再フォーマットしたり、心の再インストールはできませんね。
 ターミネーターか、ギャラクティカのサイロンにでもならなくては無理です。

山田隆文の歯医者さん日記


 では、あなたの心のコンピューターのプログラムを惑わせているものは何なのでしょうか?

 それは、あなたが、生まれてから得た、知識であり、経験です。
 そして、あなたの両親や家族から得たものです。
 あなたのお友達から得たものかもしれません。
 そして、保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校・大学などの教育から得たものかもしれません。
 さらに、あなたがどこかで読んだ本から得たものかもしれません。
 映画かもしれませんし、テレビドラマかもしれません。
 ニュースかもしれませんし、バラエティ番組だって、CMだってあります。
 そして、それは、あなたが生まれてからこれまで生きてきた、すべてのアイデンティティの階段の上にあるんです。

 さあ、ここで大事なことです。
 あなたは、中立なある事象に反応をしました。
 それは、本当に、あなた自身の反応ですか?
 誰かの意見に修飾されていないと言い切れますか?

「あのひとが、こう言ったから」
「お母さんが好きな食べ物だから」
「お父さんの好きな色だから」
「あの本に書いてあったから」
「学校の先生が言っていたから」
 ……

 私たちの心の中には、あなたの決定を惑わせる、たくさんのヒューリスティクスがあります。

 それを、全部、取り除いた時に、本当のあなたが現れてきます。

 まず、あなたの一番外側に、あなたが、他人に見せたい虚像(本物かもしれませんが……)があります。
 仕事上の顔であるかもしれません。
 もし、女性だとすれば、家に帰れば、妻の顔があるかもしれません。
 母親の顔があるかもしれません。
 両親の前では、子供の顔があるかもしれません。
 あなたは、ガラスの仮面の北島マヤよろしく、1000の仮面を被っています。

 でも、あなた本当のあなたはどこにいるのでしょうか?

 ユングは、そんな部分をペルソナと言いました。
 古典劇において役者が用いた仮面のことですね。

 さあ、仮面をはいでみましょう。
 そこには、アニマやアニムスがあります。

 どんどん、仮面をはいでいってみましょう。
 その下には、あなたの元型があります。
 アーキタイプです。
 (映画のマトリックスにもそんな言葉が出てきましたね)
・自我(エゴ)なんてものもあります。
・影(シャッテン)なんてものもあります。
・太母と老賢者なんて表現もあります。
 その下に、
・自己(ゼルプスト)なんてものもあります。
 心全体の中心です。
 心の発達や変容作用の根源的な原点となる元型です。
 宗教的には「神の刻印」なんて言われることもあります。

 一番、内側にあるのは、生まれた時の、なんの修飾も受けない、素直な、あなた自身ですね。

 その、素直なあなたは、あなたの行く先を知っています。
 その中立な事象に、どう、答えればいいかを知っています。

 簡単です。
 楽しいか、楽しくないか。
 その経験が、あなたの糧になるのかどうか。

山田隆文の歯医者さん日記

 つまり、あなたの、さらの状態の、素直できれいな心のプログラムがあります。
 そこに、さまざまな、プログラムを入れました。
 もちろん、あなたの意志です。
 もしかすると、あなたが気がつかない間に、誰かが勝手に突っ込んでしまったかもしれません。
 本当は、自分で入れたかも知れなのに、ない振りをしているのかもしれません。
 あるいは、押し入れの隅っこにしまい込んでいるのかもしれません。

 さあ、プログラムはすべてが正常に作動しているか、確認をしてみてください。
 矛盾する、別々の反応をする、プログラムがぶつかって、コンフリクトしていませんか?
 あるいは、過剰な情報で、回路が熱くなっていませんか?
 メモリーは足りていますか?
 もう、必要のないプログラムはありませんか?
 そういった、いろいろな問題が、あなたの、様々な感情としてアウトプットされていきます。

 そのすべてを取り去ったところに、すなおな、アーキタイプが居ます。
 優しい心を持った、生まれたままのあなたが居ます。
 その赤ちゃんは、無条件の愛を感じています。

 だから、ちょっとだけ、必要のないプログラムを停止させて、あなたの、心の声に耳を傾けてみませんか?

 断捨離するのは、あなたの心のコンピューターに溜まった、必要のないメモリーであり、必要のないプログラムです。
 簡単でしょう?

 さあ、心の大掃除です。