さあ、トラブルの原因は何でしょうか?
それは、あなたが、自分の居場所を見つけていないからです。
歯科衛生士さん。
けっこう、歯医者さんを転々とします。
なぜ?
いろいろな理由があります。
給料が安い。
仕事の終わる時間が遅い。
休みが取れない。
院長はいいんだけど、スタッフとうまくいかない。
スタッフは良いんだけど、院長が……。
自分がのばせない。
わたし以外のみんなは、やる気がない……。
などなどなどなどなど。
でも、変ですね。
それで、いいのでしょうか?
アイデンティティの階段を上がっていきます。
あなたは、「自分は何であるか」を確立します。
そして、親の庇護を離れました。
水戸黄門よろしく、「自分の足で、自分の道を」歩いて行かなくてはなりません。
そして、自分の居場所を見つけなくてはなりません。
さあ、スタートです。
人は、自分の居場所をいろいろなところに探しに行きます。
海に出てみました。
山に登ってみました。
川に行ってみました。
朝日の中も……。
夕日の中も……。
探してみました。
でも、自分の居場所が見つかりません。
どこまで行けばいいのでしょうか?
果てしない、出口の見えないトンネルが見えます。
悶々とします。
焦ります。
怒りを感じます。
ついに、こんなところまで来てしまいました。
でも、あたなには、真っ暗闇です。
どこへ行っていいのか?
どっちが上で、どっちが下で、方向もわかりません。
ふと下を見ると、明かりがあります。
やがて、太陽の光が差し始めました。
明るい太陽の下で、たくさんの人が、それぞれの人生を生きています。
それぞれの人生です。
あるときは、その人生が交錯します。
でも、地球の反対側の人とは、なかなか出会うこともありません。
それでも、最近は、ネットの世界で、チャットやツイッターやフェイスブックなどを通じて、これまでよりもたくさんの人と知り合うことができます。
時間も空間も、意味がなくなってきます。
あなたには、一人一人の人々の動きが手に取るように見えるようになりました。
笑っている人もいます。
泣いている人もいます。
怒っている人もいます。
喧嘩もあれば、戦争もあります。
でも、愛や、家族の方が良いです。
それが、まるで、あなたには、映画の一コマ一コマを観るように、見えています。
その一コマに、自分自身を見つけました。
まだ、自分の居場所を探し続けています。
あなたの心の秘密の花園の花を探そうと、自分の外を探し回っています。
でも、見えていません。
ほらそこ!
あなたの居場所は、あなた自身の中にあるんです。
あなたが今居る場所が、あなたの居場所です。
足元を見てください。
きれいな花が咲いていませんか?
あなたの居場所は、誰か別の人が、あなたのために、わざわざ用意してはくれないんです。
もし、あなたが、他の人の居場所に、入り込んで、「ここはわたしの居場所?」と尋ねても、みんな、首を横に振るでしょう。
だって、その場所は、その人が自分のために創造したものだからです。
だから、土足でずかずか入っていって、「わたしのよ」と言ったら、怒られて、追い出されてしまいます。
あなたは、居心地の悪さを感じます。
その人の居場所に生えている「花をください」と言っても、きっと、その人は首を縦には振らないでしょう。
だって、その人が、土地を耕して、種を植え、大事にはぐくんできたお花だからです。
もし、あなたが、それを奪い取って自分の花園に植えたとしても、すぐに、枯れてしまうでしょう。
だって、それは、あなたの現実ではないのですから。
あなたの居場所は、自分で土地を耕し、あなたの選んだ種を植えて、水をやり、太陽の光を浴びて、時には、風や雪から守りながら、大切にはぐくまなくてはなりません。
その一つ一つが、アイデンティティを確立するための、すべてのアイテムでした。
そして、ようやく、自分の花が咲くのですね。
そうです。
自分の居場所は、自分で作り出すものなんです。
だって、他のみんなはそうしているでしょう?
昆虫だって、鳥だって、動物だって、みんな、親離れをして、自分の力で自分の居場所を見つけて、それを、次の世代に伝えていきます。
誰かが教えてくれたんでしょうか?
そんなことはありませんね。
ちゃんと、教えてくれなくてもできるんです。
でも、人間だけが……。
余分な知識や、余分な感情を感じて、ありもしない幻想に中に自分を置いてしまいました。
もっと、素直になれば良いんですね。
チルチル・ミチルと青い鳥では、幸せの青い鳥を探しに、怖い森の中に入っていって、いろいろな体験をしました。
でも、冒険の末に、自分の家に幸せの青い鳥を見つけました。
禅で使われる「十牛図」では、居なくなった自分の牛を探しに旅に出ました。
でも、見つかりません。
そして、自分の家でその牛を見いだしました。
文化が違っても、ちゃんと、同じ事に気がついて居るんですね。
さあ、自分の居場所は、外を探しても見つかりませんよ。
心を落ち着けて、自分の周りを見てごらん!