まわりに、生き方を変えようとしている人たちが出てきた。
 アイデンティティができあがる。
 次のステップに進んでいく。
 人は、どこかに、自分の居場所を探すのである。
山田隆文の歯医者さん日記

 アリさんは、どこにいるのが正解なのだろうか?
 森や草原にいるから餌がある。
山田隆文の歯医者さん日記

 でも、荒野だったら……。

 一つの答えが、先週の宇宙兄弟にあった。

 閉鎖環境の試験もあと1日になった。
 ムッタは、みんなに提案する。
「悪いニュースと、良いニュースと微妙なニュースがあるんだが……。」
 悪いニュースは、
 食料がなくなる。
 良いニュースは、うどんの材料を見つけた。
 微妙なニュースは、5人から2人を選ばなければならない。

 ムッタはうどんをこねながら思い出していた。
 子供の頃から宇宙を目指していたムッタ。
 でも、学校時代の友達は、ムッタの話を理解できない。
 彼は変なやつだと思われていた。
 彼は、友達と話の合わないことに、疎外感を感じていたんだ。
 でも、ムッタは、違う視点を持っていただけ。
 だから、同じ場所にいても、友達とは違うものを見ていた。
山田隆文の歯医者さん日記

 三次元アリである。
 きっと、こんな気分だろう。
 何か、自分とは、相容れないものに囲まれている。

 ムッタは考察する。
「心のどこかであきらめてた。
 わかってくれるやつなんて、誰一人いないんだと」
山田隆文の歯医者さん日記

 ムッタは、閉鎖環境の残りの4人ととりとめもない話をしながら思った。
「すっげえ!」
「ここにいたんだ。
 誘ったら、喜んで着いてきてくれそうな連中がここにいたんだ」

 ムッタは、自分の居場所を見つけたのである。
 アリさんもである。
 
 人は進化する。
 だから、今の自分にも満足できなくなる。
 すると、同じ場所にとどまっていることはできない。
 無理に押しとどめようとすれば、どこかにほころびが生じる。

 だって、同じ事を私たちは何度も経験している。

 ドラゴンクエストやファイナルファンタジーを制覇した。
 もう一度やる?
 一応、いろいろなパターンでやってみる。
 やり尽くした。
 飽きる。
 次のゲームが欲しくなる。

 あるブランドバッグを買った。
 しばらく使っていると、新しいデザインが発売される。
 もちろん、欲しくなる。

 人は、同じ事を繰り返すことができない。

 プロフェッショナルやガイアの夜明けで、素晴らしい職人さん達が出てくる。
 同じものを作っている?
 そんなことはない。
 彼らは、口をそろえてこう言う。
 毎日が成長だ!
 まだ、まだである。

 もし、今までの自分に居心地の悪さを感じたら。
 もし、自分の置かれた環境で、なんだか、浮いて居るぞと感じたら。 


 さあ、今が成長の時だ!