これまで、ブログでは、相反する、極端なお話しを書いている。
 気がついた人は、すでに、気がついただろう。
 でも、気がつかない方のために、ちょっと解説。

 人は、その中にどっぷり浸っていると、見えるものが見えなくなる。
 富士山は、遠くからみると、富士山として認識できる。
山田隆文の歯医者さん日記

 でも、登ってみたらどうだろうか?
山田隆文の歯医者さん日記

 でも、いざ、登ってみると、どこまで行っても岩の塊である。
 あの、美しい稜線を持った富士山のなだらかな曲線は見えない。
 
 人生もまた同じ。
 他人の人生は、客観的によく見える。
 でも、どっぷりと浸り切っている自分の人生はなかなか認識することはできないのだ。

 対極に立つ。
 老子や荘子の道教の世界では、すでに、その中にいると考える。
 将棋や囲碁では、大局観という。

 全体像を眺めてみよう。

山田隆文の歯医者さん日記

 海がある。

 もし、水に中で、あなたが水の一分子だとるす。
 あなたは、水をというものを認識できるだろうか?
山田隆文の歯医者さん日記

 あなたが、大気圏に生きている。
 あなたは、空気をに認識できるだろうか?
 もし、宇宙空間で、空気がない真空という状態を知って、初めて、空気の大切さを知る。
山田隆文の歯医者さん日記

 こんな故事がある。
 荘子の物語だ。
 ある日、一匹の魚が、別の魚に訪ねた。
 なんでも、でっかい海ってものがあるそうだ。
 それは、どこにあるんだろうね?
 聞かれた魚が、答えた。
 君の周りにあるのが海さ。

 波は、ただ、打ち寄せる。
 そして、引いていく。
 波は、ピンで砂浜に留めることはできない。
 時間も空間も変化していく。
 でも、それを、人は、なぜか、握りしめようとする。
 ポジティヴな感情も、ネガティヴな感情も、ただ、流れ去る。

 わたしたちは、かけがえのない、勉強の場にいる。
 でも、その真ん中にどっぷりと浸り切っていると、それが見えない。
 宇宙から地球を眺めた時に、始めて、地球の大切さを知るように。

山田隆文の歯医者さん日記

 でも、あえて、その波に抵抗をして、壁を築いているのは、人間自身だ。

 『男はプライドの生きものだから』
 と言う本を紹介した。
 『目をつぶって傷心のまま歩きつづける男をほめたたえる。
  感情豊かで脆い男を好まない伝統は生きつづけている。』
 という、生き方を選択するなら、それでもよい。

 届いたばかりの「三銃士」のDVDを観ていた。
 と、アイデンティティのしっかりした両親を観た。
 剣の腕を上げたダルタニアンに、父が、愛用の銃士の剣を渡した。
 「これは、私が父親から譲られたものだ」
 そして、こう伝えた。
 「トラブルにはすすんで巻き込まれろ!
  失敗しろ!
  闘って、
  愛して、
  生きろ!」
 そして、両親は、ステージ5をクリアしたダルタニアンの旅立ちを見送る。
 他の主役級よりも、一瞬しかカットのない、このダルタニアンの両親の方が、私の心に残った。
 かっこよかった。

 「宇宙兄弟」では、弟の日々人が、ムッタに言った。
 「もっと、張り合えよ。つまんね~よ」

山田隆文の歯医者さん日記

 人間て、面倒くさい!

山田隆文の歯医者さん日記

 孔子のように、「道を外に探す」のも良い。
 老子のように、「すでに、道の中にいる」と考えるのも良い。

 時間も、空間も、わたしたちのこころの中にある。