こんな記事を見つけた。

 『【オリコン】あまりの怖さで人気急上昇!32年前の地獄絵本が首位に』
  (ORICON STYLE - 04月26日 04:10)
   http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1998153&media_id=54&m=2&ref=news%3Aright%3Apickup_photo
 
山田隆文の歯医者さん日記

 『絵本・地獄』
  白仁成昭さん、宮次男さんの著である。
  風濤社で1980年発行なので、もう、だいぶ昔の本だ。
  http://www.amazon.co.jp/絵本・地獄-白仁成昭/dp/4892190950/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1335407730&sr=8-1
  持っているが、寮だったかに寄付してしまったので、今は、手元にない。

 本自体のルーツは、東京国立博物館本、奈良国立博物館本などにある地獄草紙や十王図などをもとに、子ども向けに絵本にした感じ。
 もっとも、すごい昔の絵なので、著作権は心配ない(笑)。
 絵本にしても、なかなか、おどろおどろしい。
 「死」を意識させるのに良いという記事だが……。
 実際は、「悪いことをすると、地獄に堕ちるよ」という、反面教師として使われる。
 これまでも書いてきた、恐怖政治だ。
 恐怖によって、人を動かすことはよくない。
 実際、今日の健康診断だって、「メタボ検診にひっかからないよな!」という、恐怖健康診断だ。
 前に血圧を測っていた某同僚さんは、「はい、もう一度深呼吸をして」なんて、何度も血圧を測り直していた。
 これは、ネガティブ教育だ。
 本来ならば、「良いことをすると、天国(極楽)に行けるよ」の、ポジティブな表現にしたいところだ。

 さて、地獄のイメージ。

 仏教ではこうだ。
 三途の川を渡る。
 懸衣翁・奪衣婆に、六文銭を持たない死者が来た場合に渡し賃のかわりに衣類を剥ぎ取られる。
 前に、釣りバカ日誌で、スーさんが六文銭を忘れて、「カードじゃだめか?」なんで下りもあるが、これは、ご愛敬で。
 さあ、その先には、閻魔大王が待っている。
山田隆文の歯医者さん日記

 実際には、10人いる。
 秦広王・初江王・宋帝王・五官王・閻魔王・変成王・泰山王・平等王・都市王・五道転輪王 である。
 でも、本当の姿は、不動明王や釈迦如来の仮の姿だったりする。
 そして、生前の行いが裁かれる。
 わたしなど、悪態に悪行非道はひどいから、きっと、楽しい地獄巡りができるに違いない(笑)。
 だいたい、歯科口腔外科では、ベロ(舌)をちょん切ってしまう。
 歯を抜くときには、やっとこ(抜歯鉗子)だ。
 だから、やっとこでベロを引っこ抜かれるのは、宿命だろう!
 その先には、さまざまな地獄が待っている。
 焦熱地獄、極寒地獄、賽の河原、阿鼻地獄、叫喚地獄……。
 たぶん、わたしは、楽しくブログを書いている。
 ・血の池地獄の血液型は?
   普通は、異なる血液型をまぜると、やばいんだけど……。
   って、B型肝炎とか、C型肝炎とか……。
   ああ、もう、死んでるか(笑)。
山田隆文の歯医者さん日記

 ・針の山は誰が磨いているの?
 ・鬼さんは、歯を磨いているのかな?
 ・鬼さんの、労働条件は、かなり悪そうな気もしますが……。
山田隆文の歯医者さん日記

 ちなみに、地獄の大きさの単位は「由旬」。
 1由旬は7.2kmとのこと。
 4万由旬下方に、2万由旬に広がっているそうな。
 広さは288000キロメートル。
 地球の直径の数十倍である。
 ってか、そんなに地獄に堕ちた人がたくさん居るのだろうか?

 さて、欧米では、どうなっているか。
 キリスト教の世界でも地獄がある。
 イメージは、ダンテの「神曲」や、ゲーテの「ファウスト」で定着する。
 コキュートスでは、永遠に氷付け!

 ギリシャ神話では、地底世界にハデスが住む。
 これは、「タイタンの戦い」「タイタンの逆襲」でもおなじみ。

 北欧神話ではヘルヘイム(ヴァルハラ)。

 日本神話では、黄泉の国。

 などなどなど。

 でも、ここで注意が必要。

 ダンテの「神曲」も、ゲーテの「ファウスト」も、地獄と天国をセットにして表現している。
 どちらも、自分の人生を振り返り、反省し、新たな人生に踏み出すためのステップとして、地獄を描いている。
 鬼さんや、悪魔さんは、私たちを鍛えてくれるために存在しているのである。

 何度も書いてきたように、物事は、中立。
 それに、意味を与えているのは、私たち自身。
 それを、忘れてはいけない。

 さてさて、……。
山田隆文の歯医者さん日記

 まあ、この世の中の方が地獄って人もいますけどね……(笑)。