山田隆文の歯医者さん日記

 注文していた本が届く。
 毎年更新される、歯科関係の2冊の本だ。

 『新歯科の実力 (暮しの設計) [ムック]』
  読売新聞医療情報部 編 (編集)
  中央公論新社 (2010/6/28)
  http://www.amazon.co.jp/新-歯科の実力-暮しの設計-読売新聞医療情報部-編/dp/4128001074/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1335337000&sr=8-1

 『Q&Aでわかる「いい歯医者」 2012 完全保存版―歯科の疑問446にQ&Aですぐに回答! (週刊朝日MOOK) [ムック]』
  朝日新聞出版 (2011/7/15)
  http://www.amazon.co.jp/Aでわかる「いい歯医者」-2012-完全保存版―歯科の疑問446にQ-Aですぐに回答-週刊朝日MOOK/dp/4022745665/ref=pd_sim_b_1

 だ。
 毎年チェックしている。
 最新の歯科の動向がわかる。
 もちろん、学問的な意味よりも、一般的な患者さんが、どういっためで歯科業界を見ているのか、である。
 中身は、どんどん進化している。
 ということは、来院する患者さんのデンタルIQもどんどん高くなっている。
 知識も豊富になる。
 うかうかしてはいられない。

 ただ、こういった本のちょっと気になるところ。
 歯医者さんの宣伝も多い。
 宣伝は、たぶん有料である。
 客観的なライターが、客観的に書いた記事であるのならいいのだが、そうでない部分が無いとは、決して言い切れない部分もある。
 ってどういういこと?
 つまり、いいことしか書かれていない。
 もちろん、歯科治療をしていれば、歯を抜かなくてはならないこともある。
 痛みを伴うこともある。
 インプラントの治療中だって、傷が落ちついて、骨になじむまで、仮歯や入れ歯で我慢をしなくてはならないこともある。
 そういった部分は、省略されて(あえて書かないとは言わないが……)、読者の目には届かない。

 患者さんは、理想を求めて来院する。
 でも、患者さんの求めている最高の理想のイメージと、今の医療技術では届かない部分がある。
 そのギャップは埋めがたい。

 インプラントや新しい入れ歯が入れば、何でも咬めると思う。
 でも、そうはいかない。
 慣れるまでは、時間もかかる。

 癌の患者さん。
 放射線で治るという記事を見たんだけど、切らないでくれと言われても……。
 治らないがん細胞だってある。

 それを、説得するか。
 それとも、納得して頂くか。
 もちろん、妥協させてはいけないのは、もちろんのこと。

 なかなか、ニーズ(受容)と供給のバランスは難しい。
 特に、医療や福祉にかかわる部分は、生命に直結するから、心してかからねばならない。

 なんて、考えてしまった。
 考えすぎ?