なんて、教科も、専攻科で担当をしている。

 行動科学。
 『人間の行動を科学的に研究し、その法則性を解明しようとする学問。
  心理学、社会学、人類学などがこれに含まれる。』
 (http://ja.wikipedia.org/wiki/行動科学)
 である。

 こうなる。
 むし歯ができた。
 歯が痛い。
 でも、怖い。
 理性は、歯医者さんに行かないと治らないよと言う。
 でも、葛藤が起こる。
 そして、心と身体と理性がネゴシエーションして、行動が起こる。
 歯医者に行く。
 我慢をする。
 などなどなど……。

 だから、人が、どのように考え、どのように行動をするかを考える。
 そこには、わたしたちを惑わすヒューリスティクス(だましや修飾や誤謬)もたくさんある。
 それを、どのように気が付き、かわすのか?
 それとも、だまされている?
 では、なぜ、間違いが起こる?
 どうしたら、行動変容できる?
 なかなか、面白い学問である。

 例えばこうだ。
 ある患者さんが来院した。
 なぜ、来院した?と考える。
 ニーズは何?と分析する。
 そして、もし、一日に2回歯を磨く患者さんだったら、それを3回にするには、あるいは、もっと、一回の時間を延ばして、きちんと磨くにはどうしたらいい?と考える。
 そして、カウンセリングと同じ。
 答えは与えない。
 自分で、答えを見つけて、到達点を見つけて、行動目標を立てて、行動変容を促していく。
 それを、サポートしていく。

 でも、いきなり、フルマラソンは無理なように、とてつもない行動目標を立てても実現しない。
 まずは、そこの電柱まで走ろう。
 である。
 実現可能な目標を積み重ねていく。

 そのためには、もちろん、知識が必要だ。
 トレーニングも必要だ。
 ・コーチング
 ・ファシリテーション
 ・アサーティブコミュニケーション
 ・NLP
 などなどなど……。
 学ぶべき事はたくさんある。

 でも、前に紹介した、日本歯科医師会の新しい歯科健診。
 単に、むし歯発見の現場手技の方式から、来院者(患者さん)に問題点を自分で気付いてもらい、自分で行動目標を立ててもらう方式に変化している。
 歯科医師会が率先して行動変容しているのに、わたしたちもうかうかしていられない。
 という、時代のニーズのなのである。