さあ、あなたの心の隙間。
 なぜ、これまでの生育過程で、アイテムを集めてこられなかったんでしょうか?

 何度か紹介しているように、ドイツの子どもの教育のお話です。
 シュタイナー教育では、子どもの個性を伸ばします。
 一本の線、一個の丸を書くところから、個性を尊重します。
 ヨーロッパの算数の教育はこうです。
 合計が7になる数字の組合せは?
 1+6もあります。
 2+5もあります。
 3+4もあります。
 その逆もあります。
 だから、ひとつの答えに至る道には、たくさんの方法がある事を学んでいきます。

 日本ではどうですか?
 算数の問題はこうですね。
 3+4=?
 答えはひとつしかありません。
 みんな同じです。
 ネットで、こんな書き込みが話題になりました。
 3+4=7、で×!
 正解は、4+3=7なんだそうです。
 数学的にはあっています。
 別に、計算の順番なんてどうでもいいですよね。
 でも、問題がこうなんだそうです。
 「ひとつのかごに、リンゴが4個。
  もうひとつのかごに、リンゴが3個入っています。
  あわせて、いくつのリンゴがありますか?」
 だから、順番に4と3と計算をしないと、正解にならないそうなんです。
 しかも、先生の指導要綱にもそう書かれているので、答えは合っていても、×!
 ありえません。
 思考の固定化です。
 と、型で押したような、同じ様な考え方の人間が出来上がります。

 ドイツでは、幼稚園生にノコギリやトンカチを持たせて、工作をさせます。
 指を切っても、絆創膏を貼って、「はい」おしまい。
 その中で、刃物の使い方を覚えていきます。

 日本では、小学生は、ナイフで鉛筆を削れません。
 持ち込み禁止です!
 だから、短大生になって、歯のカービング(歯の形にワックス棒を削っていく)すると、とたんに、手を切ります(困)。
 文化祭などで、包丁を持たせても、絆創膏が大量に必要になります。

 さあ、日本の教育。
 「みんなと同じ」と教えられてきました。
 (まあ、最近のランドセルは色々な色で個性が出てきましたが……)
 運動会でも、1位・2位・3位を付けない。
 一緒にゴールイン!

 いつの間にか、「失敗はいけない事」と教えられてしまいました。

 鉄棒で逆上がりをするときにも……。
 始めて自転車に乗ったときも……。
 初めてのスキーも……。
 跳び箱も。
 ……。
 始めから、うまくできたでしょうか?
 もちろん、できませんね。
 練習して、失敗して、そして、何かを学び取りました。
 人生だって、同じでしょう?

 もし、一回目で成功をしてしまったら、それは、偶然だったかもしれませんよね。
 と、どのようなコツがあるのか、どのような注意点があるのか。
 一回、躓いて、立ち止まってみなければ、わからないことだってたくさんあります。
 それに、気が付かないままに、終わってしまいました。
 さあ、トラブルに直面します。
 子どもの時には、失敗をするのは当たり前でした。
 でも、大人になりました。
 知らないけど、メンツがあって、とても恥ずかしくて、他人に訊けません。
 といって、失敗して、恥ずかしい思いをするのも、嫌です。
 不安です。
 怖いです。
 と、縮こまります。
 萎縮します。
 力も出ません。
 ……。

 いつしか、チャレンジする事ができなくなりました。
 だって、失敗すると笑われるんです。
 バカにされるんです。
 それだけならいいんですけど……。
 怒られるんです。
 時には、呼び出されて、お説教です。
「なんで、できないのよ!」
「いったい、誰に習ったの?」
「ちゃんと、学校で教えてもらったでしょ!」
 って、練習もしないのに、できません。
 って、教えたのはあなたです!
 って、学校では、そこまで習ってません!

 チャレンジをすると、嫌な思いをします。
 みんなと同じじゃないと、つまはじきになります。
 村八分です。
 失敗なんかしようものなら、叩かれます。
 怖いです。

 だから、やりたくありません。

 でも、心には隙間があります。

 アイテムを集めなくてはなりません。

 ああ、矛盾です!

 わたしは、どうしたらいいの?

 それが、多くの人の現実です。


 さて、じゃあ、どうすればいいの?

 もう一度、始めに戻ります。
 失敗は、成功の母です。
 失敗から学ぶ事もたくさんあるんです。
 エジソンだって、「1%のひらめきと、99%の努力」といっています。
 接着剤で有名なアロンアルファが、失敗の中から生まれたって、知ってますか?
 もし、失敗がなければ、ポストイットは発明されませんでした。

 結論です。

 失敗しました。
 「ちぇっ!」
 「くそっ!」
 「それがどうした!」
 「次はうまくやってやる!」

 スキーやスノーボードで転んだって、ちゃんと、立ち上がりますね!
 できるまで、練習しますね!
 人生だって、それでいいんです。

 以上、おしまい!