なぜ、面倒くさい人が出来上がるのでしょうか?

 もちろん、見た目は、自己中で、あなたのエネルギーを奪い取り、いつも、ぴりぴりしてして……。
 できれば、そばにも寄りたくないような人間って、存在します。

 でも、ジャイアンだって、時には、ものすごい力を発揮します。
 のび太が窮地に陥ると、体を張って助けてくれたりします。
 だって、ジャイアンの口癖は?
 「心の友よ!」
 ですね(笑)。

 だから、あなたから見て、嫌な人。
 実は、かわいそうな人なんです。

 アイデンティティを確立できませんでした。
 それまでのステージで、人生に必要なアイテムを学び忘れてきました。
 だから、こんな状態。
山田隆文の歯医者さん日記

 その人は、穴ぼこだらけです。
 ここには、満足させる事のできなかった様々な欲求が入るはずでした。
 無条件の愛情。
 様々な感情のトレーニング。
 知識や技術。

 特に、愛。
 愛されたいという欲求は、裏目に出ます。
 「俺の言う事を聞け!」
 「どうして、俺を愛せないんだ!」
 だから、もしかして、あなたは恋人にこんな質問をしていないでしょうね?
 「ねえ、わたしのこと、好き?」
 「どれくらい好き?」
 始めの一回目くらいは、効果覿面です。
 「大好きだよ!」
 「海よりも深く、山よりも高く!」
 なんて、ハートの目をして、ラブラブで答えてくれます。
 でも、毎度毎度、同じ質問をされたどうでしょうか?
 聞かれた方は、だんだんと辟易してきます。
 やがて、考え始めます。
 「こいつ、俺の事、疑ってるんじゃないか?」
 「それとも、浮気して、どんな男にも、同じ事いってんじゃねえ?」
 つまり、相手の「愛しているよ」と言う言葉がなければ、自分自身の心の空虚を埋める事ができないのですね。
 不安なんです。
 だから、そうすることでしか、相手の愛を確認できません。
 ちょっと、寂しくありませんか?

 さあ、そんな人が、自分自身を維持するのにはどうしたらいいでしょうか?
 その人に大事なのは、その人が、他の人からどのように見えているかです。
 だから、突っ張ります。
 「ぼくは、偉いんだよ!」オーラをまき散らします。
 だから、「社長」だとか「先生」だとか呼ばれると、うきうきします。
 自尊心がくすぐられます。
 でも、中身はありません。
 それを、悟られないようにしなければなりません。
 だから、威張り散らします。
 部下や目下のものに対して、威圧的になります。
 見栄を張ります。
 だから、きらきらのロレックスや高い車やブランド品を、これ見よがしに持ち歩きます。
 「どうだすごいだろう」
 そして、「すごいですね!」なんて言われたら、もう、得意満面です。
 だから、しっぽを振って、お世辞を言ってくれる人は大好きです。
 いつの間にか、取り巻きさんができたりしています。
 別に、ジンベエザメにくっついているコバンザメじゃないんですから……!
 もちろん、取り巻きさんは、あなたにいい事しか言いません。
 あなたは、ますます、つけあがっていきます。

 そんなときに、物事をはっきり言う、わたしのような悪人が目の前に現れました(笑)。
 その人はこう思います。
 「こんな、完璧な僕を、どうして、批判するんだ!」
 「おまえなんか、嫌いだ!」

 って、保育園や幼稚園のだだっ子じゃないんですから(大笑)!

 さあ、そんな人は、自分の心の隙間には、ちゃんと気が付いてます。
 でも、それを、どうやって満たしたらいいのか、知りません。
山田隆文の歯医者さん日記

 だから、お世辞や賛辞が、重要な肥料です。
 自分では得られないものは、他人から奪い取ろうとします。

 前に、秘密の花園のお話をしました。
 あなたの心の花園を、お花で満たすためには、あなた自身が、土地を耕し、種を蒔いて、手入れをして、水をやり、芽を吹き、つぼみを付け、花を咲かせるまで、ちゃんと育てなければなりません。
山田隆文の歯医者さん日記

 もし、誰かから花を奪い取って、持ってきて、自分の心の花園に植えたとします。
 でも、枯れてしまいます。
 だって、あなたのお花ではありません。

 だから、ますます、奪い取ります。
山田隆文の歯医者さん日記

 でも、他人から奪い取ったエネルギーは、あなたのものにはなりません。
 すぐに、消え去ってしまいます。
 だから、もっと、奪います。
 でも、なくなってしまいます。
 だから、もっと、もっと、奪い取ります……。
 際限はありません。
 それでも、心が満たされる事はありません。
山田隆文の歯医者さん日記

 心には、もっと大きな空虚ができました。

 さあ、どうでしょうか?
 身の回りにいる嫌な奴。
 実は、かわいそうな奴だという事に、気が付きましたか?

 いくら怒っても、威圧的な態度をしても、虎の威を借りても……。
 何をしても、その人には、虚しさしか残りません。

 その人に対して、あなたは、どのように振る舞えばいいでしょうか?

 エネルギー奪われまいとして、抵抗しますか?
 逃げ出しますか?
 へらへらと、へつらいますか?
 戦いますか?

 ただ、今、この瞬間、ココにいて下さい。
 しっかり、地面に足を踏ん張って、真ん中にいて下さい。

 そして、笑顔です。

 と、どうなると思いますか?

 「あれ、エネルギー奪えない?」
 「威厳が通用しない……。」

 ってことになるんです。

 いかがでしょう?