さあ、アイデンティティ・クライシスです。
 あなたの前に、面倒くさい、自己中な上司が居ます。
山田隆文の歯医者さん日記

 あなたは、抑圧されています。
山田隆文の歯医者さん日記

 別に上司でなくても構いません。
 先輩かもしれません。
 先生かもしれません。
 あるいは、舅や姑かもしれません。
 昼ドラには、どろどろした、ややこしい人間関係がたくさんですね。

 孔子の弟子の孟子さんは、「三綱五常」なんて言いました。
 儒教の世界では、
 ◎三綱(君臣・父子・夫婦間の道徳)
 ◎五常(仁・義・礼・智・信)です。
 この三綱。
 君臣の上下関係、父子の上限関係、夫婦では男が上なんて説きます。
 もちろん、年配者を敬うといういい意味なんですが、さすがに、男尊女卑は、今の時代には通用しませんね。
 でも、まだまだ、江戸時代からの儒教思想は面々と残っています。
 実際、韓国では、宴会でも最長老が「乾杯」と言わない限り、宴会は始まりません。
 歯医者さんへ行っても、「治して下さい!」と患者さんは、お願いです(困)。

 さあ、抑圧されたあなた。
 どよーんとして、悶々としています。
 「この上司が居なくなれば」と、我慢をしています。

 もし、我慢の限界に来れば、上司に辞表をたたきつけるかもしれません。
 あるいは、うつ……。
 つぶれてしまいます。

 問題は、ここ!

 どうするかは、おいおい、書いていきます。

 ようやく、嫌な上司が転勤したり、配置換えになったり、定年を迎えました。
 さあ、あなたが、トップです。
山田隆文の歯医者さん日記

 気が付くと、あなたは、あなたが嫌っていた上司と同じ事をしています。
 部下を、あなたの手足のように思います。
 感情的にぶち切れるのも、威圧するのも、残業させたりするのも、あなたの思いのままです。
 部下のびくびくしている姿を見ると、うれしくなります。
 しっぽを振ってくる部下はかわいいですね。

 あれ、気が付くと、あなたが嫌っていた上司と、同じような口調で話しています。

 そうやって、なんだか不思議な関係が、面々と受け継がれていきます。
山田隆文の歯医者さん日記

 ドロシー・ローノルトの詩のように、あなたは、あなたの嫌いな上司や先輩や先生達を見て育ってきました。
 だから、そんな人間にしかなりません。
 だから、それを、そのまま、次の世代に伝えます。
 だから、あなたが感じてきた嫌な気持ちを、そのまま、次の世代に味わせています。
 そうやって、アイデンティティ・クライシスは受け継がれていきます。
 みんな、歯車。
 先輩の回転が、あなたに伝わり、あなたの回転が、次の世代に……。

 それでいいの?

 どこかで、変えようよ!

 変えられるのは、今しかありません。
 あなたしかいません。

 人を変える事は、難しいです。
 ましてや、がちがちの頭の硬い、面倒くさい上司や先生や先輩を変えるなんて無理です。
 そんな人たちは、部下で後輩の、あなたの言う事なんて聴くはずもありません。

 でも、その連鎖を止められるのはあなたしか居ません。
 あなたが、変わればいいのです。
 あなたが、そのマイナスの連鎖を、次の世代に伝えなければいいのですね。

 あなたは、笑顔で、こう伝えればいいのです。

「もっと、楽な方法があるよ」
「もっと、楽しい生き方もあるよ」