山田隆文の歯医者さん日記

 このステージでの学びは何でしょうか?
 ステージ1では、あなたは、無条件の愛を学びました。
 その裏側には、愛されない<恐れ>を学びます。
 ステージ2では、あなたは、自律性を学びました。
 それは、あなたが意識を拡大するための大事な好奇心です。
 でも、うまくいかない事もある。
 あなたは、<怒り>を学びました。
 ステージ3では、あなたは、人間関係を学び始めました。
 <恐れ><怒り>の使い方。
 おもちゃに対する<嫉妬>。
 でも、使い方によっては<喜び>も<同情心>も<情熱>も、他の子どもの気持ちに<共感>することも覚えました。
 でも、ネガティヴな使い方もある事を、ぎゃふんと言いながら、身をもって経験していきます。

 ステージ4では、これらの経験を通して、勤勉性を学びます。
 世の中は、おもちゃや、楽しい事ばかりではありません。
 小学校1年生になったとき、6年生はものすごい大人に見えました。
 その上に、中学生、高校生、大学生……。
 先が見えません。
 そして、国語に算数に社会に理科。
 たくさんたくさん、学ばなければならない事が出てきました。
 でも、新しい知識は、あなたの好奇心を刺激します。
 新しい技術は、あなたを喜ばせます。
 社会では、自分の住む地域や、国や、世界の事を学びます。
 理科では、地球なんて、大きな大宇宙のなかの、点のようなちっぽけな存在である事を知ります。
 先輩や後輩、そして、先生達との、年齢差のある人間関係を学んでいきます。
 人間関係が、なんでも、うまくいくわけではない事も知ります。
 あなたの、思うとおりにならない事もあります。
 あなたのわがままが、他の人に迷惑をかけてしまう事も知ります。
 あなたより、積極的な子どももいます。
 あなたより、引っ込み思案な子どももいます。
 あなたより、強い子どももいます。
 あなたより、泣き虫な子どももいます。
 ジャイアンも、しずかちゃんも、スネ夫君も、できすぎくんも、いろいろなキャラクターの子供たちと触れ合う事ができました。
 そして、ちょうど良い人間関係を学びます。

 でも、もし、先生が、肝っ玉の小さい人間だったら……。
 「……しなさい」
 「……しちゃだめ」
 「競争もダメ」
 「喧嘩もダメ」

 ……。
 あなたの学校のイメージは、<恐怖>です。
 先生に怒られないためのイイコのいっちょあがりです。
 勉強のできるのはイイコ。
 先生の言いつけを守るのはイイコ。
 静かに授業を聴くのはイイコ。
 遅刻しないのもイイコ。
 先生に褒められない子は、悪い子。
 劣等感のできあがりです。
 自由奔放に育ってきたあなたに、上から、身動きのできない網が落ちてきます。
 目立っちゃダメ。
 出る釘は打たれる。
 みんなと同じ。
 それが、人生を平穏に生きる方法だ。
 平均。
 平凡。
 個性は、隠さなくてはいけない。

 あれ、だんだんと、おかしくなってきました。

 エースをねらえの岡ひろみも、アタック№1の鮎原こずえも、先輩のいじめに遭います。
 先生達に目を付けられます。
 あれ?
 おかしい。
 人間て、こんなに不自由な生き物なの?
 なんか、変だなあ。

 私たちの多くは、このあたりから人生ゲームのステージクリアができなくなってきました。

 そして、あなたが、上級生になりました。

 そして、ある日、ふと思います。
「あれ、自分が、先輩にやられてきたのと、同じ事をやっている」
 でも、変えられません。
 だって、その方法しか知らないのですから。

 でも、もっと、良い方法がありますね。
 他人の自由を奪わなくても、他人を無理矢理従わせなくても、世の中は、平和に回っていきます。

 何か変だ。

 そう、気付けますか?

 ジュリア・ロバーツの主演した「モナリザ・スマイル」という映画があります。
 リベラル志向の美術教師キャサリン・ワトソン(ジュリア・ロバーツ)が主人公。
 彼女は、長年の夢であった名門ウェルズリー大学へ新任しました。
 でも、その大学は、米国一保守的といわれる大学。
 そこで、学ぶ学生たちは自由から程遠いものでした。
 そして、キャサリン・ワトソンの戦いが始まります。
 ヒラリー・クリントンの自伝から着想とも言われている作品です。
 でも、やがて、彼女の蒔いた種は、芽を吹きます。
 今、アメリカは男女平等の最先端ですね。

 さあ、このステージをクリアすれば、次のステージです。
 でも、問題は、クリアしなくても、物理的には次のステージに行けてしまう事です。

 心理的な発達が、知識や技術よりも大事なのに……。

 もちろん、それでは、たくさんのアイテムを取らないままに、次のステージに行く事になります。
 そのアイテムは、あなたの人生を、もっと豊かにするための、魔法のアイテムなんです。
 シンデレラ城ミステリーツアーの魔法の剱です。
 魔法の呪文です。
 他の人の心の扉を開くための、大事な鍵です。
 パスワードです。

 さあ、あなたの心には、この魔法のアイテムがありますか?