山田隆文の歯医者さん日記


 乳児期。
 それは、基本的な信頼を得るための、あなたにとって、一番重要な時期です。
山田隆文の歯医者さん日記

 さあ、地球学校です。
山田隆文の歯医者さん日記

 あなたは、「おぎゃあ」と生まれました。
 
山田隆文の歯医者さん日記

 ようこそ。
 さあ、お勉強を始めましょう。
 ゲーム・ステージ1です。

 温かいお母さんのお腹の中から、地上に出てきました。
 光が見えます。
 これまでは、水の中にいたのに、あなたの皮膚は、風を感じます。
 色々な音が聞こえます。
「お母さんの声」
「お父さんの声」
「助産婦さんの声」
 これまでは、おかあさんのヘソのうで酸素や栄養分をもらっていたのに、今度は、自分の肺で呼吸をしなければなりません。
 これまでは、水中で、ほとんど重力を感じなかったのに、地球の重力を感じます。
 体も重たいです。
 まるで、重いアクアラングを付けて、深い海の底を歩いているような感じです。
 あれ、思った通りに腕や足を動かせません。
 声を出したいのに、「おぎゃあ」しか言えません。
 言いたい事、いっぱいあるのに。
 でも、あなたは、大きな、優しくて、温かい手を感じました。

 さあ、生まれたての赤ちゃん。
 一人では何もできません。
 動物は、生まれてすぐに立ち上がったりします。
 動物は、自分でおかあさんのおっぱいを探しに行きます。
 でも、人間は脳が大きくなりました。
 お母さんのお腹の中で完成させる事ができませんので、生まれてから発達する事になっています。
 まともに、動く事もできません。
 ですから、保護が必要です。
 だから、あなたは、両親の保護の元に生きていく事になります。

 その時に感じるもの。
 お父さんとお母さんの無条件の愛です。
 無条件というのが大事です。
 ご両親の愛情は、見返りを求めません。
 ただ、あなたが生まれてきた事に感謝をします。
 いとおしいと思います。
 保護しなければと思います。
 あなたが、心身共に、健康に育まれていく事を祈っています。

 ご安心ください。
 ほとんどの人は、このステージはクリアしています。
 ご両親の愛を感じなかった人はいないはずです。
 ですから、愛を感じる能力は、ちゃんと持っているはずです。


 でも、それがなかったら……。

 あなたは、人が信じられません。
 愛も知りません。
 愛される事も、人を愛する事もできません。
 不信感の塊です。

 前に、パッチ・アダムスさんとクラウンニング・ツアーをしたとき、一緒にご両親に捨てられた子供たちの居る孤児院に行きました。
 たくさんの子供たちが居ます。
 でも、彼らは、私たちを信じませんでした。
 どんなに、無条件の愛を与えても、受け入れてもらえませんでした。
 その目の奥には、深い闇を感じました。
 
 みなさんは、そんなことはありませんね!


 それでは、次のステージに進んでいきます。