この間、お寿司屋さんに行った。
 カウンターの端っこで、中の板前さん達の動きが良く見えた。
 凄いなと思う。
 注文がひっきりになしに入る。
 それを、てきぱきと、正確にこなしていく。
 握るネタが分業されていることもある。
 もちろん、たくさんある握り寿司のネタの位置も、ちゃんと頭に入っている。
 ちょっと、手が空くと、巻物を作り、ネタを裁き、大根の千切りを造り、動きに無駄がない。
 使いやすい場所に、使いやすい材料がみんなセットされている。

 そこで、歯医者さんの動きはって考えた。
 結構、無駄が多いな。
 機材などの置き場所も決まっていなかったりするので、治療方針が突然変更になったりすると、ばたばたする。
 もちろん、寿司屋さんのメニューは決まっている。
 だから、ある程度、仕事のパターンができる。
 歯医者さんでは、患者さんが100人いれば100通りの治療がある。
 だから、と言われてしまえばそれまでなのだが……。
 実際、大学病院などでは、クリティカルパス(医療なので最近はクリニカルパス)という。
 それぞれのスタッフが、ある治療に対して、いつ、何を準備して、どのような動きをするかを決めたマニュアル(一覧表)みたいものだ。
 そこから発展して、患者さんの説明に使ったり、治療やリハビリの計画書になったりしている。
 ただ、なかなか、小さい歯科医院では難しいかもしれない。

 一般の企業と歯科の違い。
 それは、ちゃんとした教育システムができているところだ。
 たとえば、美容業界。
 シャンプーもまとものできないのに、はさみなんて持たせてもらえない。
 でも、歯科は、資格を取ってしまえば、何でもできる、なんて思い込んでしまう。
 ディズニーランドのキャストだって、きちんとしたトレーニングシステムができている。
 (最近は、アトラクションに乗るよりも、ついつい、裏方さんに目がいってしまうけど……)

 コミュニケーションは、言葉によるコミュニケーションは10~20%と言われている。
 動きも大事なんだなと思った。

 そして、患者さんに見られている、

 それも、頭に入れる必要がある!