108回にわたって、感情を旅してきました。
 一応、今回で終了の予定です。
 もう一度、全部の感情を振り返ってみましょう。

 <恐れ>
  あなたに、危険を知らせてくれる感情です。
 <怒り>
  あなたが、思うとおりに行動できない時に感じる感情です。
 <嫉妬>
  あなたの、所有物を教えてくれる感情です。
 <喜び>
  一瞬のひらめきの瞬間です。
 <同情>
  あなたの、感情が、始めて他の人の感情に触れました。
 <情熱>
  あなたの、感情のエネルギーが外に向けて発信されました。
 <受容・慈愛>
  あなたは、周りのすべての感情を受け入れて、あなたの感情を素直に出すことができます。
 <悟り>
  あなたは、いつも、一瞬のひらめきを感じ続けています。
山田隆文の歯医者さん日記

 <恐れ><怒り><嫉妬>は、ネガティブな感情として分類をしました。
 海の底のような世界と表現をしました。
 でも、<喜び>の光に照らされたとき、ネガティブな感情も輝き始めます。
 あなたは、他の人の感情を感じ、あなたの感情を素直に扱えるようになります。

 これは、マズローの言う<欲求>の正常な発達です。
 これは、エリクソンの言う<アイデンティティ>の確立に他なりません。 

 あなたは、生まれてから、ひとつひとつの<感情>を経験し、感じ、失敗して、吸収して、学んで、成長を続けてきます。
 だから、どこかの<感情>でスタックしてしまうと、成長が止まってしまいます。
 でも、そこで焦らないでください。
 じっと、立ち止まって、一歩下がって、冷静に周りを見回してください。
 あなたに必要なアイテムが、ちゃんとあるはずです。

 たとえば、壁にぶつかりました。
 それでおしまいですか?
 多くの人は、そこで立ち止まります。
 落ち込んだり、すごすごと引き返したりします。

 さあ、一歩下がります。
 お菓子とお茶を用意して、一服してください。
 どんな壁ですか?
 石、レンガ、金属、木、それとも?
 高さは?
 ああ、ノミとトンカチが落ちています。
 都合のいいことに、ダイナマイトもあるじゃないですか!
 はしごもあります。
 私なら、重機を用意して、壁を乗り越える階段を作っちゃうかもしれません。
 ちょうど、空港がそこにありますね。
 空から、ひとっ飛びもいいですね。
 でも、本当に必要ですか?
 
 壁の全体像を観てみましょう。
 壁は、どこまで続いているんでしょうか?
 階段はありませんか?
 あれ、扉が?
 ノックはしてみましたか?

 さあ、あなたは、壁にぶつかった時に、何を選択したのでしょうか?

 さて、感情は、この図のように、リニア(一次元)な関係なのでしょうか?

 感情は変化すると書いてきました。
 一個のケーキの例をあげたと思います。
 そして、<喜び>という感情が、ネガティブな感情に光を当てるということも書いてきました。
山田隆文の歯医者さん日記

 それらの関連性をマップにしてみると、こんな二次元になりました。

 あれ、<受容・共感>や<慈愛>がありませんね。
 すべての感情を包括するこの感情を、二次元平面に描こうと思いましたが、どうしてもできませんでした。
山田隆文の歯医者さん日記

 そこで、三次元マップにしました。
 <恐れ><怒り><嫉妬><喜び><同情><情熱>をすべて含んだ平面の上に、太陽のように輝いているのが、<受容・共感>や<慈愛>です。
 そして、それを取り巻く、<悟り>の世界です。
 <悟り>は、三次元的(もしかするともっと広がっているかもしれませんが……)に、すべての感情を取り巻いています。
 もちろん、まん丸です。
 どこも出っ張っていません。
 どこもへこんでいません。
 もちろん、トゲなんてありません。
 表面はなめらかです。
 でも、すべてを抱擁する柔らかさを持っています。
 もし、手を触れたっら、きっと、気持ちいいに違いありません。
 
 では、表面から眺めてみましょう。
山田隆文の歯医者さん日記

 まん丸な、こころですね。

 一番始めに、「あなたのこころを描いてみましょう」と書きました。
 ようやく、ここに帰ってきました。
 さあ、あなたのこころは、どんな形になりましたか?

 もちろん、まん丸ですよね!

 今日は大晦日。
 この連載も、108回目。
 ちょうど、煩悩の数です。
 NHKでは、日本中の除夜の鐘の音を伝えています。

 <あなたの心にご用心>。
 一応の完結です。

 でも、こころの旅は終わったわけではありません。
 一説によると、煩悩の数は、六万四千とも!
 そこまで書くのは大変そうですので、また、別の形で……。