では、なぜ、迷路の中にいると、周りが見えなくなってしまうのでしょう?
 壁が高いからでしょうか?
 暗いからでしょうか?
 では、その、謎解きをしましょう。
山田隆文の歯医者さん日記

 ありさんに、たとえてみましょう。
 ありは、地面に住んでいます。
 2次元の世界です。
 私たち人間も、空を飛べるわけではありませんので、2次元の世界に住んでいます。
 縦と横です。
 前と後ろ、右と左です。
山田隆文の歯医者さん日記

 ありは、どうやって自分の位置を知っているのでしょうか?
 答えは、太陽の光です。
 太陽の方向と、自分の影から、進んでいる方向を判断しています。
 あっちが、巣の方向。
 こっちに、おいしい食べ物。
 もちろん、他にも、仲間同士のフェロモンも使っていますが、それは、今回は考えないで下さい。
 こどもの時に、よく遊びませんでしたか?
 ありが進んでいるときに、手などで影を作ると、ありの歩みがちょっと止まります。
山田隆文の歯医者さん日記

 運がよけりゃ、運がよけりゃ、なんて、マイフェアレディの歌の歌詞みたいですが……
 ありさんは、歩いていて、運が良ければ、ケーキなどのエサを見つけるかもしれませんね。
 私たちだって、闇雲に歩いていても、なにか、いいことがあるかもしれません。
 ラブコメの冒頭シーンみたいですが。
山田隆文の歯医者さん日記

 運が悪いと、高い山があるかもしれません。
 ありさんは、2次元ですので、山は壁のように立ちはだかって、巨大な障害物ですね。
 突然、自分の世界の果ての壁に来たように感じるかもしれません。
山田隆文の歯医者さん日記

 ありさんとしては、運が悪ければ、こんなこともあります。
 目の前に、突然、深い谷が現れました。
 むかし、私たちも、地球は平面は、一番はじっこは、深い滝になっていて、船でも何でも、落っこちてしまうと考えていました。
 パイレーツオブカリビアンのワンシーンで、デッドマンズチェストにいるジャック・スパローを探しに行った船が、落っこちたような気がします……(笑)。
 これも、困りますね。
山田隆文の歯医者さん日記

 さて、太陽の光がなくなると、ありはどうなるでしょうか。
 ありさんが、夜に活動をしているありを見たことはあまりありませんね。
 ありは、太陽の光がないと、自分の位置がわからなくなってしまいます。

 人間も……?
 もちろん、光のない原始時代はそうでしたね。
 さて、心にとっての光は、<喜び>ですとお話ししました。
 私たちも、<喜び>がなくなると、何もする元気がなくなってしまいます。
 仕事をしても、勉強をしても、誰もほめてくれない。
 「よくやったね」なんて、だれもいってくれない。
 できて当たり前。
 できなきゃ、「なんで、できないの!」と、罵倒されます。
 仕事をやった、勉強をやった、充実感なんて起こりませんから、<喜び>も感じません。
 光のなくなったありのようですね。
 迷路の中も、真っ暗闇です。

 出口は、どこにあるんでしょう……?