山田隆文の歯医者さん日記

 さあ、<執着>と関連したお話です。
 私たちは、良く、こんな言葉を聞きます。
 「結婚して、幸せになるわ」
 本当ですか?
 結婚したら、幸せなんですか?
 じゃ、今は?
 幸せじゃないんですか?
 もしかして、自分の心の足りない部分を、相手に求めてしまっているのでしょうか?
 ぽっかり空いた心の穴は、あなたの心の秘密の花園は、他人の花で埋めることはできませんと書いてきましたね。
 もし、足りないもの同士が、お互いに、足りない部分を奪い合ったらどうなるでしょう?
 それが、物事がうまくいかない最大の理由です。
 今、自分が100%じゃないから、たとえば、結婚すれば100%になれるんだ。
 これが、間違いの元です。
 80%と80%が結婚でしても、やっぱり80%ですね。
 掛け算したら、64%で、もっと下がってしまいます。
 今、ありのままの姿でいいんだという許可が必要です。
 悩んでいる自分が、ありのまんまの姿でいいんです。
 それで、今は100%です。
 そう考えれば、荒涼とした地獄だって、お花畑にすることができます。
 100%と100%が結婚しました。
 今度は、100%になるばかりではなくて、200%にも300%にもなることができるのです。
 禅の天国と地獄の話を思い出しましょう。
 足りない部分を奪い合えば、地獄になります。
 もし、与え合えば、天国になるのですね。
山田隆文の歯医者さん日記

 さて、その原因は何でしょうか?
 答えは簡単です。
 私たちは、知らない間に、心に制限を作っています。
 あるいは、条件付けでしょうか?
 「お金がないから、幸せではない」
 「仕事ができないから、幸せではない」
 「足が短いから、ぶす(ぶおとこ)だから、幸せではない」
 「お休みができたら、遊びに行こう」
 「おこずかいが貯まったら、旅行に行こう」
 これでは、今、何もできませんね?
 「結婚しなければ、幸せではない」ということになっていまいます。
 そして、いざ、結婚してみると、「あれ、幸せじゃないじゃん」ということに、気が付いてしまいました。
 仕事も、おんなじです。
 「あの会社に就職すれば、かっこいいぞ!」
 でも、いざ、仕事を始めてみると、外で見たのとは、全く違います。
 <嫉妬>という感情は、今、何を持っているかを認識する能力であるかという説明をしました。
 でも、私たちが生きているのは、「~したら」という仮定の世界ではありません。
 今なんですね。
 今、100%でなくてはなりません。
 どうでしょう。
 制限を取り払ってみては如何でしょう?
山田隆文の歯医者さん日記

 さて、これまでは、一人一人の内面にある<感情>についてを中心に話しをしてきました。
 これが、相手が居る話しになると、非常に複雑になります。
 人間関係は、本音とたてまえの戦いです。
 前に紹介した、エゴグラムや交流分析を使うと、いろいろとおもしろいです。
 ただ、ちょっと、難しくなります。
 まだ、自分の心の中も、完全にわかっていません。
 実は、今、<喜び>に焦点を当てて話しをしています。
 次の感情からは、人間関係が入ってきます。
 ですから、もう少しお待ち下さい。
 さて、チーズの話しの2匹のネズミさんも、それぞれ、キャラクターがありました。
 でも、まず、迷路の出方を考えないといけないですね。
 必要なのは、ネガティブな感情の迷路の中ではまった状態ではありません。
 好奇心です。
 迷路の外には何があるのだろう!
 ですね。
 わくわくしませんか?
山田隆文の歯医者さん日記

 さあ、心の迷路の出口を見つけましょう。
 迷路には入り口と出口があります。
 そうしないと、誰でも入れませんし、誰も出られません。
 ミノタウロスの迷路にも、ちゃんと出入り口がありました。
 さて、人生の主人公は自分自身です。
 迷路を造り出してしまったのも、あなたです。
 そして、迷路を消すこともできるのも、あなた自身なんです。
 まず、ここでも許可です。
 あなたは、もう、充分に迷路を迷いました。
 迷路から出てもいいんですよ、と言う許可を与えて下さい。
 真っ暗な壁に、イメージの中で扉を作り出して下さい。
 そして、ノブに手をかけて、開いて下さい。
 そこには、明るい太陽の光があるはずです。
 光が入れば、迷路の隅々まで見ることができます。
 あなたは、<喜び>という太陽なんですね。
 雲があっても、地球の反対側になってしまっても、太陽はなくなったのではありませんね。
 いつも、そこにあるのですね。
 <喜び>も、なくなってしまったのではないんですよ。
 ただ、あなたが、自分で雲を作り出してしまっただけなんです。
 ただ、あなたが、見たくないと、サングラスをしてしまっただけなんです。
 ただ、あなたが、太陽に背を向けてしまっただけなんです。
 でも、<喜び>という感情は、ちゃんと、あなたの中にあります。
 わくわくしていいんだ。
 たのしんでもいいんだ。
 と言う許可を、もう一度与えて下さい。
 あなたは、もう、迷路の中にとらわれている必要はないんです。

 さて、あるとき、「執着」と「好奇心」の違いはと訊かれました。

 答えは簡単ですね。

 物に支配されているのが「執着」です。
 物に支配されていないが「好奇心」ですね。