アメリカの格差社会を訴えるデモは、日本にも飛び火した。
 ヨーロッパのユーロの危機は治まりそうにもない。
 火種のギリシャの借金だ。
 失業率が上がり、税金も上がり、一方で給料は下がる。
 日本だって、そろそろ国の借金が1000兆円を超える。
 年金支給開始年齢も、2年ごとに1歳ずつ上げて、たぶん、私がもらえるのは68歳……。
 それまで、働けってこと????
 一応、うちの定年は65歳だけど、多くの企業は60歳定年も多い。
 そんなかで、武器産業企業へのサイバー攻撃から、今日は、衆議院議員のパソコンとサーバーにもトロイの木馬ウイルス攻撃が。
 まあ、ミッションインポシブルなどでは当たり前の世界だけど、現実では、見えないところで黙々と実行されている。
 日本の未来も、世界の未来もどうなっちゃうんだろう。
 
 一方で、別の意味での世界の変革も進んでいる。
 カダフィ大佐が拘束され、殺害された。
 独裁者の終焉である。
 中東からアフリカで火のついた革命も、一旦の区切りを迎える。
 アフガニスタンやイラクは、アメリカが無理矢理開こうとした。
 イソップの北風と太陽の北風である。
 でも、これらの国では、自発的に革命が起こる。

 でも、独裁者だって、はじめは英雄だったのだ。
 ヒトラーにしてもしかり。
 民衆の心をつかみ、民族の独立を守ろうとした。
 でも、いつしか、方向性が狂ってくる。

 権力を握ると、周りがちやほやする。
 利用しようとするもの、利用されるものが集まる。
 自然、考え方の違うものは排除される。

 一見、多数決は平等に見える。
 でも、日本の政権を見ているように、必ずしも、議員個人個人の意見が投票に反映されるものはない。
 党の決議に従えないものは、処罰される。
 なんだか、民衆性の名前を借りた独裁制だ。
 独裁力=議決力をつけるために、それぞれの党は、過半数超えを目指している。

 さて、独裁者である。

 この、罠は、誰にでも潜んでいる。
 ある地位に就く。
 部下ができた。
 何でもできると思う。
 でも、なかなか、部下が言うことを聞いてくれない。
 と、意見の違う部下は排除されていく。
 と、同時に、自分の周りにはイエスマンだけが集まってくる。
 すると、はたして、自分の考えが客観的に正しいのか、間違っているのか、冷静な判断ができなくなってくる。
 誰かに意見を求めても、それは、その人に利害関係のある人が多い。
 だから、参考にはならない。
 むしろ、間違いを助長することもある。
 客観的な第三者の意見は、否定として感じる。
 と、粛清が起こる。
 反対派は飛ばされる。
 官公庁では、同期の中で事務次官になれるのは一人だけなのだそうだ。
 レースに取り残された同僚は、どんどん他の独立行政法人や企業へ出向していく。
 組織ができると、組織は人格を持つ。
 作った人の意志を無視して、組織の存続そのものが存在意義となって、突っ走っていく。
 民主党の仕分け事業で消滅した独立行政法人や予算なども、いつの間にかゾンビのように復活する。
 バイオハザードのアリスよろしく、ミラ・ショボビッチが必要だ。

 さて、組織を変える。
 これも、教務担当者研修会のテーマだ。
 古い考え方の教育では通用しなくなった。
 でも、どこの学校でも、変革についてこれないゾンビのような、カダフィ大佐のような教員が居る。
 自分の講義だけがすばらしいと思っている。
 批判は、誹謗中傷にしか聞こえない。
 もちろん、カリキュラム全体も、学生が他にどのようなことを学んでいるかも見えない。
 見えるのは、自分の科目だけ。

 をいをい。
 世界は動いているよ!
 ついて行かなくちゃ!
 いや、イノベーターにならなくちゃ!

 ちなみに、ある本で読んだ。
 世界の大富豪は、私たちの思考のはるか外にいる。
 ある、大富豪が、新しい仕事をしようと思って、銀行に融資をお願いした。
 でも、銀行が断った。
 その大富豪はどうしたか?
 桁が違う。
 その銀行を買い取ってしまった。
 ちゃんちゃん。

 私たちの経済は、予想もつかないレベルで動いている。
 もっとも、小さな短大の教育だって動かせないのに……。
 ちょっと、脱力!