$山田隆文の歯医者さん日記

 私たちの感情は、まるでモザイクのように複雑です。
 でも、少しずつ、解き明かしていきましょう。
山田隆文の歯医者さん日記

 秘密の花園という物語をご存じだと思います。
 フランシス・ホジソン・バーネットの作品です。

 主人公のメアリーは、両親を亡くし、叔父のクレーブンのところにもらわれてきました。
 そこで、病気のコリンに出会います。
 彼は、暗い部屋に閉じ込められていました。
 自然、わがままになり、みんなが手をつけられなくなっています。
 さて、メアリーは、ある部屋で鍵を見つけます。
 その鍵は、秘密の花園の鍵でした。
 でも、誰も世話をしない花園は、荒れ果てています。
 メアリーは、メイドのマーサの弟のディコンと一緒に、こっそりとその花園をよみがえらせようとします。
 その花園は、コリンのお母さんのものでした。
 でも、早くしてなくなってしまった妻を思い出したくない叔父のクレーブンは、花園を封印してしまったのです。
 ある日、二人は、コリンを花園に案内しました。
 コリンの心が開かれていきます。
 そして、最後に、叔父のクレーブンが、傷心の旅先で妻の声を聞いたように思い、急いで屋敷に帰ってきました。
 そこで、よみがえった花園と、椅子から立ち上がったコリンを見ました。
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 さあ、花園です。
 あなたの心にもあります。
 でも、その花園を育てるのはだれでしょうか?
 もちろん、あなた自身です。
 だって、あなたの心です。
 もし、誰かの花を持ってきて、あなたの心の花園に植えたとします。
 育つと思いますか?
 もちろん、育ちません。
 だって、他の人の花ですから。

 よく、こんな女の子を見ますね。
 「結婚して、幸せになります。」
 うまくいくと思いますか?
 今は、不幸なんですか?
 不幸な人が結婚をしても、幸せになれると思いますか?

 こんな女の子も居ます。
 ただ、彼氏が欲しいんです。
 彼氏が居ないことが、寂しいんです。

 こんなことを聞く女の子がいます。
 「ねえ、私と一緒じゃないとき、寂しくない?」
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 前に、ハートは、まんまるである、と書いたと思います。
 でも、多くの人は、ハート型のハートを描きます。
 私はそうは思いません。
 まん丸の心がありました。
 これは、独断ではありません。
 前に、心理学の講義の時に、学生にハートを描かせると書きました。
 ハートの第一番は、もちろん、ハート形です。
 でも、次に多く描かれるのが、丸なんです。
 おもしろいですね。
 なぜ、丸いハートなんでしょうか?
 私はこう思います。
 <恐れ>も<怒り>も<嫉妬>も、<喜び>も、これから説明していくすべての<感情>が、バランス良くコントロールされている状態こそが、まん丸なハートなんです。
 どこにも飛び出したところも、どこにもへこんだところはありません。
 バランスがとれ、すべての感情が調和しています。

 もう一度訊いてみましょう。
 「あなたのハートは、どんな形でしょう?」
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 ハートはなぜハート形なんでしょう?
 いろいろな説があります。
 たとえば、心臓がハートだから。
 でも、私は違った考えを持っています。
 ハート型は<執着>の結果なんです。
 どっかが<執着>で引っ張られました。
 と、どっかがへこみます。
 「恋は盲目」と言います。
 盲目の部分は、何か、常識が欠如してしまって居るんですね。
 恋しいあまり、勉強も仕事も手に付かなくなってしまったんです。
 でも、心が、何かにとらわれました。
 いい男です。
 いい女です。
 と、その部分が飛び出します。
 と、「恋は盲目」などと言います。
 飛び出した部分の反対側が、引っ張られてへこんできます。
 と、その部分の何かが欠けます。
 時に、恋をしているときには、へんてこりんな行動に走ってしまうことが、ままあります。
 だって、調和が乱れたんですから。

 さて、もし、自分の心に足りない部分があるとします。
 その足りない部分を、誰か別の人に求めたとしたら、どうなるでしょうか?
 もし、心の欠けている部分を埋めるために、彼や彼女を必要としたら、それは、本当の意味での恋愛でしょうか?
 他の人の心の一部で、埋めたからといって、あなたの心の秘密の花園の花は、果たして咲き乱れると思いますか?

 あなたの花園の土は、自分で耕さなければなりません。
 それは、色々な経験を積むことです。
 色々な感情を感じることです。
 大地には、太陽の光で満ちているときもあれば、雨が降ったり、時には、嵐も吹雪もあります。
 その中で、木々は四季を感じて芽吹き、蕾をふくらませ、美しい花を咲かせます。

 でも、大地に栄養分がなかったら……。
 もちろん、美しい花は咲くことはありません。
 もし、大地が大きなごろごろした岩や、石で荒れ果てていたら。
 もちろん、何も芽吹きません。

 でも、人は、見た目だけを取り繕おうとします。

 さあ、あなたは、あなたの花園のかかしではありません。
 それでは、何も受け入れることはできませんね。
 あなたが、あなたの花園の主人公です。
 そこには、暖かい、楽しい、感情で満たしてください。
 
 えっ、そのためには、何をするのかって?

 答えは簡単。
 「笑顔!」です。
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 あなたの心にも、こんな花を咲かせてください。

 いえ、本当は、もう咲いているんですよ。
 目を開けば、きっと、そこには、美しい花園があるはずです。