素直に感情を表現できない理由はなんでしょうか?

 今日も、附属歯科診療所にはフッ素塗布に訪れる子供たちが居ます。
 1歳の子どもが来ました。
 学生さんが、神妙な顔をして口腔内のチェックをしています。
 フッ素塗布の前に、歯科医師がチェックをしますから、今日は、私の診療日なので呼ばれていきました。
 と、その1歳の男の子と目が合います。
 子どもはニコッとしてくれました。
 学生さんは不思議がります。
 「どうして、笑ったんですか?」
 私は、笑顔で答えます。
 「修行が足りない(笑)」

 でも、別に難しい事をしているわけではありません。
 簡単な事です。
 私が笑顔だからです。

 でも、そこに条件があります。

 素直な笑顔です。
 屈託のない笑顔です。

 作り笑いではありません。
 無理に笑おうとしているのではありません。

 自然に、にじみ出てくる笑顔です。

 さあ、何度目になるでしょうか?
 自分の笑顔を鏡でチェックしてみて下さい。
山田隆文の歯医者さん日記

 こんな、顔ではありませんよね!
 これでは、あかちゃんは泣いてしまいます。
山田隆文の歯医者さん日記

 私たちは、普段は、仮面をかぶっています。
 美内すずえさんの「ガラスの仮面」ではありませんが、1000の人がいれば、1000の仮面があります。
 ユング風に言えば、ペルソナです。
 私たちは、時と場合によって、さまざまな仮面を使い分けています。

 たとえば、男の人。
 仕事中には、その職業の顔があります。
 奥さんの前では、夫の顔が。
 両親の前では、子どもの顔が。
 子どもの前では、父親の顔が。
 趣味で遊んで居るときには、無邪気な顔が。
 ……。

 例えば、私たち歯科医師や歯科衛生士。
 白衣を着ると、「医療従事者だ!」という気持ちになります。
 他の人から見ても、白衣=医療従事者というイメージを産み出します。

 だから、ペルソナ=仮面は必要なときもあります。

 でも、いつもかぶっている必要があるのでしょうか?

 時には、色々な意図を含んだ仮面があります。
 困りものはこれです。
山田隆文の歯医者さん日記

 こんな、武器を構えているときもあります。

 でも、一人の時は、仮面をぬいでもいいんですよ。
 
 その時に、あなたの素顔はどんな感じですか?

 ダースヴェーダーのようなすごい顔ではないですよね!
 アナキン・スカイウォーカーだって、子どもの時には、あんなにかわいかったんです。

 世の中には、性悪説と性善説がありますが、私は、性善説を信じています。
 仮面を取った、あなたの素顔は、きっと、このバラの花のように美しいに違いありません。
山田隆文の歯医者さん日記

 少し、心を休めて、仮面を取ってみませんか?
 きっと、そこには、素晴らしい笑顔があるに違いありません。