歯科医療関係では、独特の言葉を使う。
 意味不明の略語であったり、隠語であったりする。
 前にも、うちの診療所で、初診の患者さんを「まったくニュー」と呼んでいた。
 まあ、再初診の患者さんと区別するためなのだろうが、よくわからん!

 さて、気になる言葉である。
 むし歯の治療は、治せば終わる。
 でも、歯槽膿漏は、一生のおつきあいである。
 だから、定期検診に呼ぶ。

 まず、定期検診と定期健診。
 健診は、健康診断の略である。
 だから、健康な人が健康状態のチェックをする。
 検診。
 これは、病気がないかどうかをチェックする。
 だから、40歳とか50歳で、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく「特定健康診査」の項目及び労働安全衛生法で定められた「定期健康診断」なんてのは、健診を使う。
 歯医者さんにも、そんな書類を持った患者さんが現れる。
 さて、一方で、一応治療が終了した。
 「また、半年後に来て下さいね」なんて言う場合には、検診だ。

 ややこしいこと、この上ない。

 さて、気になる言葉。
 それは、「リコール」である。

 よく、「リコール患者さん」という。

 でも、私はいつも違和感を感じている。

 だって、リコールって、政治の国民罷免!
 だめな政治家を辞めさせる事だ。
 さらに、よく車なので目にするけど、欠陥のある製品を生産者が回収し、無料で修理することだ!

 をいをい、患者さんが欠陥商品なんですか?
 それとも、自分の治療に欠陥があるから、呼び寄せるんですか?

 まあ、最近では、ようやく、「アフターケア」とか「メインテナンス」という言い方が一般的になってきてほっとしてきている。

 ある、閉鎖されたコミュニティの常識は、外から見ると非常識。

 ご用心、ご用心である。