感情は、1人称ではないと書きました。
<恐れ><怒り><嫉妬>などは、それを感じた人だけではなくて、外界に発せられれば、周りの人にも影響を与えます。
ミッキーマウスの顔を見て、なぜ、みんな「かわいい!」というのか?
エクソシストやゾンビを見て、なぜ、みんな「怖い!」というのか?
何か、発しているものがあるのですね。
当然、それは、誰かに受け取られます。
ネガティブ三兄弟の<恐れ><怒り><嫉妬>について書いてきました。
そして、<喜び>についても、少しずつ書き始めています。
でも、なぜ、今、足踏みをしているのか?
それには、ちゃんと理由があります。
これから出てくる感情は、他の人の感情を受け取って、それに対応する感情だからです。
きちんと受け取れば、それはポジティブフィードバックを産み出します。
でも、ネガティブに受け取れば、悪循環に陥ってしまいます。
前に書いた、感情のキャッチボール。
もし、双方が怒りを発していたら、それは喧嘩に発展します。
でも、見た目は同じでも、ディベートは、きちんとコントロールされていますね。
さあ、嫌な感情を受けました。
油断していると、はね飛ばされてしまいます!
その感情が、あなたの弱点をピンポイントで付いてきました。
ぐうの音も出ません。
あなたは、小さくなってしまいます。
犬であれば、しっぽを巻いて、下を向いてしまいます。
そうすると、相手の思うがままですね。
そんなパワーゲームを仕掛けられているあなた、要注意です!
やくざさんや、テレビドラマの刑事の取り調べです。
「をい、おまえの家族がどうなってもいいんだな!」
「おまえの母ちゃんが悲しんで居るぞ!」
時には、力には力で対抗をします。
目には目を、歯に歯をです。
でも、それは、解決にはなりません。
お互いのネガティブな感情が、ただただエスカレートするだけですね。
さあ、それでは、感情に対応する方法です。
メッセージは受け取ります。
でも、ネガティブな感情は受け流します。
この、さじ加減が難しいのですね。
正面で受けるから、はね飛ばされたり,落ち込んだり、喧嘩になります。
このブログの出発点である、医療面接という3っつの役割軸のなかの、「相手の感情に配慮する」の極意がここにあります。
患者さんのメッセージは受け取る。
感情も感じる。
でも、感情的になるのではなくて、診断と治療のための冷静な判断力は残している。
ここが、肝心なところです。
ちょっと、トレーニングが必要です。
どこで線を引いていいのか。
これは、トライアンドゴーです。
相手側に入りすぎて痛い目にあって、今度は引きすぎて患者さんの気持ちがわからなくなり、あるいは壁を作ってしまったり、はったりの威厳を示す。
そん中で、ちょうど良いスタンスを見つけていきます。
でも、何度か<選択>の話をしてきました。
患者さんと、どのような距離感を保つか。
それも、選択なのですね。
でも、それは、<恐怖>や<威圧>ではなくて、<優しさ>に発する選択であった欲しいものです。
さて、ファシリテーションでは、こんなテクニックを使います。
「ハンターハンター」を書いた冨樫義博さんの「レベルE」風に言うと、相手の想定している斜め上を行きます。
感情に感情で返すのではなくて、感情には大人のスタンスで返すのですね。
時には、ウイットで煙に巻きます。
だじゃれではないところが肝心。
ウイットは知恵や知識に裏打ちされたものです。
これが出来れば一人前です。