$山田隆文の歯医者さん日記

 なんて思っていたら、こんな名前の本が出ましたね。
 「バターはどこへ溶けたか」
 ぱくりだといって、訴訟にもなりました。
 でも、結構おもしろかったです。
 今度は、二匹のネコと二匹の狐です。
 今度の舞台は、迷路ではなくて、森の中です。
 ある意味で、閉鎖空間である迷路に対して、無限の空間があります。
 そして、チーズの話しでは出なかった人間も登場します。
$山田隆文の歯医者さん日記

 この物語はこうです。
 ペンションに買われているネコが居ます。
 いつも、バターを食べています。
 そこで、ある日、バターがなくなります。
 森の中で、キツネがバターを見つけました。
 でも、食べきってしまえばおしまいです。
 ネコは、「なければないでいいじゃん」という考えです。
 キツネは、<執着心>から新しいバターを探します。
 結局、ネコは、バターがなくても生きていけることに気が付きました。
 キツネは、一度味わったおいしいバターを<手放す>ことができませんでした。
 どっちがいいの?と言う問いかけがありました。
 チーズとは明らかに逆の教訓の物語でした。
$山田隆文の歯医者さん日記

 結論から先に言うと、どちらにも良いところと悪いところがあります。
 チーズの話しは、サラリーマンには非常に教訓となります。
 一方、バターの話は、何かを創造している人には教訓となります。
 誰を対象としているかと言うことが問題なんですね。
 物語は、普遍的ではなかったのです。

 サラリーマンは、会社というものとノルマというものに縛られた迷路の中にいます。
 頭打ちの仕事をどうにかするためには、迷路の範囲内で新しい仕事やクライアントを開拓します。

 自由業の場合には、無限の空間があります。
 何をしてもいいのです。
 その仕事にとらわれる必要はありません。
 ただし、ほうっておいても、だれも、チーズという形の報酬は与えてくれませんので、自分で、作り出す努力をしなくてはなりませんね。

 どちらが優れていて、どちらか劣っているという問題ではないのです。
 これも選択です。
 迷路の中で、出世を目指すのか、迷路を飛び出して、無限の空間に船をこぎ出すかです。

 あなたは、どちら側の人間でしょう?

 でも、もう、皆さんでしたら、新しい問題がある事に気がついていますね。
 バターを与えてくれる人間の存在です。

 人任せの人生でいいのでしょうか?
 自分の人生ですね。
 ネコさんのように、人間に飼われて生きていきますか?
 それとも、キツネさんのように……。

 まだまだ、考える事はありそうですね。

 ということで、<感情>のお話は、まだまだ続いていきます。