「チーズはどこへ消えたか」という物語がベストセラーになりました。
 すべての事例に適応できるわけではありませんが、選択、というテーマを考えるときには参考になります。
 ブレークスルーのひとつのあり方です。
 私たちの人生は選択の連続です。
 その選択をするもしないも自由です。
 そして、どの選択をするかも自由です。
 その選択が、<好奇心>から来るのか、それとも<恐れ>を基本とするのか?
山田隆文の歯医者さん日記

 2匹のネズミと、二人の小人の物語です。
 チーズがありました。
 でも、食料にしていますので、だんだんと、チーズが小さくなってきます。
 みな、<不安>になってきました。
 <不安>というのは、まだ<恐怖>の現実は起こっていませんが、嫌な事が起こったらいらだなあと予期しているのですね。
 2匹のネズミたちは、新しいチーズを探して、旅に出て行きます。
 そして、ネズミたちは、新しいチーズを発見しました。
 このチーズは、何を意味しているのでしょうか?
 この本が多くのサラリーマンに読まれたことは、もう、ご存じだと思います。
 どんなサラリーマンかというと、外交業務です。
 仕事の拡大のためには、新しいクライアントを開拓しなくてはなりません。
 車のディーラーだってそうですし、保険だってそうです。
 もちろん、パン屋さんだって、ラーメン屋さんだって、そうです。
 最近では、歯医者さんも競争原理が働きますので、患者サービスにとつとめなくてはなりません。
 ですから、学生連れて、ディズニーランドにホスピタリティを学びに行きます。
山田隆文の歯医者さん日記

 さあ、問題は、なかなか、重い腰を上げなかった小人たちです。
 もう、チーズはほんの少ししかありません。
 おしりに火がつきました。
 まるで、古い体質の日本企業のようです。
 本当に、大変なことになるまで、誰も、重い腰を上げません。
 でも、さすがに、食料に困ってきた小人たちの一人は、ネズミを追おうと決心しました。
山田隆文の歯医者さん日記

 小人の一人は、ネズミたちと合流します。
 そこには、新しい大きなチーズもありました。
 これは、何を意味しているのでしょうか?

 では、残された小人はどうなってしまったんでしょうか?
 チーズはなくなりました。
 もう、食べていくこともできません。
 でも、慣れ親しんだ場所から動くこともできません。
 ……
 企業で言えば、会社更生法ですね。

 さて、この物語には、いろいろな命題がありました。
 まず、この小人さんです。
 どうして、動かなかったんでしょう?
 <恐れ>でしょうか?
 <執着>でしょうか?
 企業で言えば、古い体質にとらわれて、改革を行えなかったと言うことになります。
 バブルがはじけた頃から、多くの例がありますね。

 この物語には、いくつもの選択があります。
・始めに飛び出していったネズミ …… イノベーター(Innovators:革新者)
・それを追いかけていくネズミ  …… アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
・ネズミを追っていった小人   …… アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
                   レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
・最後まで動けなかった小人   …… ラガード(Laggards:遅滞者)

 さあ、あなたの選択はどれだったでしょうか?

 好奇心は働いていますか?

 でも、ちょっと、命題です。

 「どうして、チーズなんですか?」
 「どうして、迷路なんですか?」